◆新日本プロレス◆新旧天才対決となる中邑と武藤のチャンピオンシップ。IWGP史上最年少王者記録を持つ“神の子”現チャンピオンの中邑が、プロレスマスターの“奇才”武藤敬司を迎え撃つ。この世代を超えた天才対決は現時点でどちらが優勢なのか。
ここまでの勢いでいえば、断然中邑に分があるとみていい。今年の1・4東京ドーム大会でライバル棚橋弘至を下し、自信2度目の王座戴冠。その後は元五輪金メダリストのカート・アングルとの王座統一戦に加え、春のG1覇者で新日プロ最強挑戦者の棚橋弘至を立て続けに破ってきた。
コンディションも万全。第2次政権を築いてからは、昨年8月のG1クライマックスで痛めた肩痛の心配もない。だが、相手が試合巧者の武藤とあって、IWGPを過去10度防衛した“ミスターIWGP”永田裕志からも「あのカートに勝って一戦ごとに成長している中邑に勝ってもらいたいが、武藤さんはそう簡単にはいかないだろう」という声が聞こえてくる。
チャンピオン・カーニバル(CC)こそ予選リーグ敗退だった武藤だが、この一戦では長年のキャリアで培った変幻自在のひらめきがどう働くかにかかっている。
◆全日本プロレス◆3冠王者の佐々木健介とCC覇者の諏訪魔による全日プロの頂上決戦が行われる。そもそもこの2人は健介のノア参戦に諏訪魔が噛みつき遺恨が生じ、CCでは30分時間切れ引き分け。いよいよ29日の頂上対決で決着をつけることになる。
果たして安定感抜群の健介に、若きチャレンジャー諏訪魔が新時代を切り開くことができるのか。だが、過去5年間で3冠王者VSCC覇者は4回対戦し、3冠覇者が3勝、CC覇者が1勝。諏訪魔にとってはCC覇者不利の気掛かりなデータが残っている。とはいえ、今年のCCでは決勝で新日プロ春のG1覇者・棚橋弘至に激勝して最年少Vを果たすなど、ネクストジャンボの勢いは増すばかりだ。
一方、戦前から「ドッカーンと勝つ」と口にしている健介は「力を爆発させるっていう意味で、ボルケーノ・イラプションもチャンスがあれば、出していきたい。完璧に決まれば失神する可能性もあり得るね」とV3に向けて秘密兵器投入も辞さない構え。
諏訪魔の新時代到来なるか、はたまた健介が壁となって立ちはだかるのか、全日本の未来を占う一戦になる。