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小塚桃子ゴルフ連載第一部・心のマネジメント(1) 心から始まり心で終わる

 今回から始まる連載を担当させて頂く小塚桃子です。ここではゴルフを楽しく、そしてカンタンに100を切る事が可能となる「秘技(?)」を伝授しますね。

 皆さんは「飛ばしたい」と思いますか? まあ、ゴルフを経験した人なら、ほぼ全員「飛ばしたい」と思いますよね。ところが、「飛ばしたい」と強く思えば思うほど、逆効果になってしまうのです。

 「飛ばしたい」と思うと、どうしても「手で振って」…つまり「手打ち」になってしまう。そうなると、筋肉が使えなくスイングも安定しません。安定しないという事は軸がブレて打球(球筋)が乱れます。遠くに飛ばしたい−−かくいう私も「あの辺まで飛ばしたいな〜」と思うと私の悪い癖である「オーバースイング」になってしまうのです。

 さらに飛距離が気になるのでヘッドアップしてしまう。ヘッドアップすると天ぷら…打ち上げてしまうばかりでなく、打球が右へ左へと、(ボールの)行方が定まらなくなるのです。そうならない為にも私はスイングする前に、(1)オーバースイングにならないように意識する。(2)最後までボールを見るように心がける。

 以上、2点を注意するとショットがゆったりするのです。

 ここが本日のポイントですね。ゆったり振った方が却って飛距離が出るのです。「飛ばしたい」と思うと力みが生まれ、スイングが速くなるのです。これは老若男女、共通して言える事です。某漫画ではありませんがスイングする時に心の中で声を出してタイミングを取ると効果的。「チャー・シュー・メーン」は実に理に適っているのですね。ちなみに私は「1、2、さ〜ん」とゆっくり心の中で声をかけます。

 冗談抜きで大体、目標のところまで飛びますね。リラックスして(心の中で)声を出すので、他の事…余計な事を考えなくて済むのです。パー3やショートコースなどでは第一打がポイントになります。そんな時、「絶対、ピンのところまで乗せる!」と我を忘れると気負う。心の中で声を出さず力みが生まれヘッドアップ、オーバースイングとなり結局、かなり手前で落ちる。グリーンどころの騒ぎではなくなります。

 あと、私の場合は力が拮抗している人とのラウンドは厄介な事になります。私とほぼ互角の力を持っている先輩がいるのです。いわゆるライバルですね。やはり、この人と回ると意識してしまうので調子が狂う。自然体を意識しても、なぜか気負うのです。「絶対、この人には負けない」という気持ちが前面に出てしまう。

 特に1ホール目は「飛ばそう」「飛ばそう」「1パットで収めよう」…自分を見失うと崩れてしまうものです。時に我に帰って「ハッ」とするのです。「自分を…自分だけを見よう」と思うのです。こうなったら私は強いですね。もう「自分は自分。他人は他人」ですから。先輩がナイスショットをした時でも「ナイスショット〜」と適当に言っておくのです。そもそも先輩のショットなど見ていないので、周りに合わせる感じですが…。

 私は平常心。飛距離に関しては「あそこからあの辺くらいかな」というザックリとした設定です。普通でしたら、先輩のナイスショットに触発されて「絶対、あそこまでは飛ばす!」と気負うのもの。ところが、平常心になっている時は先輩のプレーには興味を抱かない。仮に飛距離では先輩を超えられなくても「ゴルフは飛距離じゃないし…」「先輩は絶対、後で崩れる。マイペース」と自分に言い聞かせます。基本、負けず嫌いなので、最終的には先輩に負けたくないのですが、ね。実際、私はアプローチパターが得意なので、「飛距離で負けても挽回できる」と思っています。

 「周囲のプレッシャーは気にせず、自分のゴルフに徹する」−−これは今回、私から皆さんにお伝えしたい事ですね。例えば、先輩がドライバーで200ヤード飛ばしたとしまう。一方の私は170ヤード。「ヤバい! 30ヤードも距離がある。セカンド(ショット)頑張ろう」これが普通の発想です。しかもセカンドでベタピン(ピンそばにつけること)を狙うと又、崩れる…こうなるとグチャグチャです。

 そればかりではありません。グリーンが視界に入る様になったら、なったで問題勃発。「ゴールが見える」と焦りというか欲が出てきます。特に接戦の時やライバルがいる時は最悪。アドレナリンが放出しまくるのです。30ヤードのアプローチだというのに倍飛ばしたりして、収拾がつかなくなる。アドレナリン、ハンパじゃないです。

 元来、アプローチが得意な私ですが、こういう状態では敢えて刻む事を考えます。具体的には距離を短めに設定して短い番手(飛距離がでないクラブ)を使用します。こういった事が何の気なしにできるとスコアは飛躍的にあがります。心のマネジメントは大事。ただ、マネジメント管理は本当に難しいと思います。鍛錬するはまず心からですね。

 次回は私の経験を例にしながら「終盤の戦い方に不可欠な心のマネジメント」について綴っていきたいと思います。

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