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“歴史に残る程のレベル”で売れなかった、カワイソウな玩具

 もうすぐ年末。各玩具メーカーにとってはクリスマス商戦をかけた勝負どころである。実写作品では長期シリーズである『仮面ライダー』と『スーパー戦隊』が並び『ウルトラマン』シリーズも、12月23日公開予定の新作映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』が控えている。
 アニメ・実写を問わず、其々の作品の目玉商品が年末年始に集中する。玩具メーカーは“如何に魅力的な商品をリリースするか”、映像制作サイドは“如何に作品が関連商品販売促進に繋がるように演出をするか”悪戦苦闘する事になる。

 年末のクリスマスムード=玩具販売戦が近付くと思い出されるのは、大作玩具にして歴史的に不憫な記録を残した「DX大型基地マックスマグマ」だ。
 「マックスマグマ」は『地球戦隊ファイブマン』(1990年・東映)に登場した、戦隊メンバーの基地(マグマベース)にして、スーパーファイブロボと合体することによって誕生する最強ロボである。
 ところが、ウィキペディアにも公然と記され、玩具関連のメディア媒体でもしばしば語られる通り、この「DX大型基地マックスマグマ」は洒落にならない程売れなかった。
 
 丁度、この頃は『戦隊シリーズ』も過渡期を迎えており、『ファイブマン』も視聴率や作劇面で大苦戦を強いられていたのは事実である。しかし、そうした背景を別にしてもこの「マックスマグマ」、“これじゃ、売れるわけがない”という要因が明らかに存在しているのである。

 マックスマグマは基地形態「マグマベース」として第1話から登場しているが、本格的に“最強ロボ”として真の姿を見せた時期は意外と早く、全48話中、第29話「合体VS合体」でその無敵ぷりを魅せている。
 …が、なんと、その後再び「マックスマグマ」として活躍したのは“最終回のみ”!! 劇中、ロボット形態として登場した本数はたったの計2回なのである。
 これではマックスマグマが「販売不振玩具の代表格」という位置づけにされてしまうのはあんまりだ。
 この件は「売れる商品でなかった」のではなく「どう考えても売れる環境になかった」と言うのが正しいのではないか?
 更には、このマックスマグマ、劇中最終回では壮絶なまでの大破を遂げてしまう。どこまでも報われない、あまりにも不憫なメカだ。もう書いているだけで泣けてくる。

 各映像プロダクションと玩具メーカーは、特にこの時期ともなれば、「如何に商品を売るか」という点に腐心している事と思うが、やはり作品としての面白さが関連玩具の人気、強いては売れ行きに火をつけるものなのだと再認識して欲しいところである。

 なんと去年度放映の『侍戦隊シンケンジャー』は放映終了後になって尚、現在新たに主力ロボット=シンケンオーや各戦隊メンバーのアクションフィギュア展開が始動したのである!
 『シンケンジャー』は、決して劇中でロボットが全面的に押し出されていたシリーズはない。むしろ、先のマックスマグマの様に『シンケンジャー』も年末の目玉であった大型ロボ「モウギュウダイオー」は在庫の山を抱え、見事なまでにコケていた。
 しかし、放映を終えて尚、新商品展開に繋がるのは一重に作品の魅力に他ならないだろう。“関連商品が売れてナンボのキャラクター作品”とはいえど、どうかどうか玩具のCMの様な作品にはなり果ててくれるなと願うばかりである。

(小野寺浩 山口敏太郎事務所)

【参照】山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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