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「ヲタク記者は見た!」デキる男が座るイス

 最近、デスクのイスが悲鳴を上げてきた本紙記者Jです。有名デザイナーがオフィスチェアを手掛けたと聞き、先日開かれた発表会に行ってみました。

 X型のフレームがきらびやかに光る高級オフィスチェア「エクセア」のデザインを務めたのは、エンツォ・フェラーリやマセラティ・クアトロポルテなどそうそうたる高級外車をデザインした奥山清行氏。カーデザイナーがオフィスチェアのデザインを手掛ければ、作ったのが「100人乗っても大丈夫!」のイナバ物置で知られる稲葉製作所というのも異色。
 実は同社の社史は1961年に鋼製デスクの生産を開始したところから始まる。オフィス家具のブランド再生を目指し、満を持してこのチェアを発表した。

 かつてはデザイナーが一枚絵を描いて、そのデザイナーの名前を付ければ売れるという時代があったが、奥山氏は「この話をお受けするからには、社内の工場を徹底的に見せてもらい、一から作り上げますよ」と同社の稲葉明社長に名言。相当ワガママを突き付けたそうだが「ほとけのイナバ」の異名をとるほど社内でも温厚な性格で知られる稲葉社長は全く怒らなかったそうだ。
 イタリア人以外で唯一フェラーリをデザインした男が作ったチェアは、腰部分に“エアバッグ”が埋め込まれていて、加圧ボタンと減圧ボタンで空気を微調整して好みのフィット感を作りだせる。コントロール機能はすべて手に取るところに集結しているが、奥山氏は「車では当たり前のことだ」と言う。
 価格は12万5000円からで、ベンチャー経営者や書斎で長時間過ごす人などにニーズを見込む。
 カーデザイナー渾身の一脚の座り心地はというと、これが可もなく不可もなくといった感じ…。平社員にはエグゼクティブのイスは早過ぎたようだ。

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