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ノア 216発に込めた熱い思い。小橋建太のチョップ秘話

 2日のノア日本武道館大会で復帰した小橋建太は、自身の代名詞でもあるチョップを、およそ27分間の試合の中で216発も繰り出した。逆水平をはじめ、袈裟斬り、青春の一撃、マシンガン式など、ありとあらゆるバリエーションで、休養を余儀なくされた546日分の思いを込めて放っていった小橋。休養前と全く変わらぬその姿の背景には、血のにじむような努力と、仲間の献身的な支えがあった。
 小橋の付け人として復帰に向けたトレーニングを最も間近で見てきた潮崎豪は「1日4時間、ほぼ毎日のように練習していましたね」と振り返り、「黙々とウエート、持久力をつける練習、怪我をしたヒザ周りの筋肉をつけるトレーニングを重点的にこなしていました。あとはスパーリング、受け身ですね」と小橋の復帰に向けたトレーニングの内容を明かした。
 とりわけチョップにはやはり思い入れが強かったようで、小橋は練習の中でも特に多くの時間を割いていたという。潮は「板を割ったり、壁に打ちつけたりというトレーニングをしてました。(本田)多聞さんが練習に付き合って、胸の周囲を毎日真っ赤に腫らしていましたね」と証言する。

 休養前には小橋とのコンビでGHCタッグ王座を保持していた正パートナーの本田多聞は、壁や板、サンドバッグにチョップを打ち付けている小橋を見かねて「人間をたたかないと感覚がつかめませんよ」と進言し、文字通り胸を貸した。
 「無呼吸の状態で打つことになるので実戦により近い方がいい。(11月)30日と1日もやったんだけど、2日間で1000発以上はチョップを食らったね。おかげで胸がどす黒く腫れ上がったままで試合に出ることになっっちゃったよ」と本田は苦笑いを浮かべながら、小橋のチョップで痛む胸をさすっていた。
 「納得がいくまでやり続けるので、私の方がヘコたれました。試合ができない以上、不安を解消するには練習で追い込むしかないという考えの人ですから。まあ、これで復活してくれるなら安いもんですよ」と本田は小橋の復帰に笑顔をのぞかせた。本田は小橋のそんな影の努力を知っているからこそ、リング上で闘う小橋の姿を放送席から見つめて涙した。「リングに立っていることが感無量だった」。本田にとっても小橋の復帰は感慨深いものだったようだ。
 万感の思いを込めて一発一発放っていった小橋の216発の熱いチョップ。その影には愛弟子と正パートナーの大きな支えがあった。

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