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【週刊テレビ時評】視聴率急降下のテレ朝で救いとなった小栗旬主演の「BORDER」

 昨年、ゴールデン帯、プライム帯で民放視聴率1位となり2冠を達成したテレビ朝日だが、今年4月以降、苦戦が続いている。

 4月のゴールデン帯の平均視聴率は民放4位にまで急降下。5月は民放2位と回復の兆しを見せているが、不振のひとつの要因となっているのが、同帯で放送している刑事ドラマの低迷だ。

 同局では、人気刑事ドラマシリーズの「相棒」(水谷豊主演)に続けとばかりに、今クール、3本の刑事ドラマを放送した。

 そのうち、小澤征悦主演「TEAM〜警視庁特別犯罪捜査本部」(水曜日午後9時〜)は第8話までの平均視聴率(数字は以下、すべて関東地区)は9.5%と低調。石塚英彦主演「刑事110キロ」(木曜日午後7時58分〜)に至っては、初回(4月17日)の9.7%が最高で、1度も2ケタ台に乗せることもなく、第6話(6月5日)で最終回を終えた。最終回は2時間スペシャルだったが、視聴率は7.4%と散々だった。

 そんななかで、救いとなったのが、小栗旬主演の「BORDER」(木曜日午後9時〜)だ。初回(4月10日)は9.7%と1ケタ台のスタートで、当初は低迷。同日放送開始となった裏の同じ刑事ドラマ「MOZU Season1〜百舌の叫ぶ夜」(TBS/西島秀俊主演/木曜午後9時〜)に3週連続、視聴率で負けていたが、第4話から上昇機運に乗り、形勢逆転。

 最終回(第9話=6月5日)は14.4%の好視聴率をゲット。裏の「MOZU」第9話(同5日)は7.7%と過去最低で、“木曜夜9時の刑事ドラマ対決”は「BORDER」の6勝3敗で終わった。「BORDER」の全話平均視聴率は12.2%とまずまずで、これがコケていたら、今クールのテレ朝のゴールデン帯の連ドラは全滅するところだった。

 池井戸潤原作の2作、「花咲舞が黙ってない」(杏主演/日本テレビ/水曜日午後10時〜)、「ルーズヴェルト・ゲーム」(唐沢寿明主演/TBS/日曜日午後9時〜)は依然好調をキープ。「花咲舞が黙ってない」第8話(6月4日)は15.8%で前週より0.2ポイントダウン、「ルーズヴェルト・ゲーム」第7話(同8日)は14.5%で前週より0.3ポイント下げただけにとどまった。

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(岡田准一主演/日曜日午後8時〜)第23話(同8日)は16.0%で、2週連続16%台をマーク。

 また、フジテレビで7日に放送された「AKB48第6回選抜総選挙 生放送SP」は第1部(午後7時〜9時22分)が16.2%、第2部(午後9時22分〜11時10分)が11.4%だった。

 同局は3年連続で「AKB総選挙」の生中継を行ってきたが、昨年(6月8日)が20.3%、一昨年(6月6日)が18.7%で、過去最低。大島優子らの卒業が視聴率に響いたようだ。
(坂本太郎)

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