『ちびまる子ちゃん』は、1986年に『りぼん』誌上で連載がはじまり、1996年に一旦終了する。2002年から2016年1月までは不定期連載として復活していた。さらに、2007年から2011年までは『東京新聞』ほかで連載されていた。今回、コミックス化されるのは、『りぼん』版の単行本未収録作品や特別編を加えたものである。これにより、文字通り『ちびまる子ちゃん』は完結する。 もはや国民的漫画といえる長編作品はどう完結するかが難しいところだ。ほかの作品の場合はどうだろうか。
「『ドラえもん』(小学館)は1996年の藤子・F・不二雄氏の死去によって連載が終了します。しかし、膨大な未収録作品があり順次、単行本化されました。さらに、アニメーション映画の原作として知られる『大長編ドラえもん』シリーズは、作者の死後も『まんが版:映画シリーズ』と名前を変えて、アシスタントの手によって連載が継続されました。『クレヨンしんちゃん』(双葉社)は2009年9月に作者の臼井儀人氏が事故で亡くなりますが、手元に下書きが残されていたため、2010年3月までアシスタントの手によって連載が続きました」(サブカルチャーに詳しいフリーライター)
だが、「ちびまる子ちゃん」に関しては、このような形で連載が継続するのは難しいといえる。
「なにしろ、さくらさんは、作品世界に対してなみなみならぬ情熱を注ぐことで知られていましたからね。アニメ版の『ちびまる子ちゃん』がスタートした時も、自らアフレコ現場に立ち合い、声優にはアドリブを使わないよう要請をしていたようです。さらに、脚本のチェックも行い、最終的にはすべて自分で執筆しています」(前出・同)
作品の完結は寂しさもあるが、ファンの思い出の中では生き続けることを願いたい。