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新交通ゆりかもめテレコムセンター駅に無数のコウモリが

 新交通ゆりかもめのテレコムセンター駅を“蝙蝠(こうもり)大集団”が巣食っているのをご存じか。巨匠ヒッチコック監督の映画「鳥」(1963年)のように無数の蝙蝠が不気味に羽ばたいている。

 タネを明かしてしまえば、本物ではなく駅ホームのガラスに描かれた蝙蝠文様のこと。ゆりかもめ各駅のホームは透明のガラスとホームドアで覆われており、転落・接触事故防止に役立っている。2006年の有明〜豊洲駅間延伸開業時、このガラスに駅ごとに異なる日本古来の伝統文様が装飾された。
 ゆりかもめはホームページで装飾理由について「近代建築物に日本古来の伝統文様を用いることで心の和む駅となることを期待している」などと説明。駅を識別しやすくしたほか、透明なガラスへの衝突防止の役割もあるという。言われてみれば蝙蝠集団はずいぶんと低空にデザインされている。幼児が興奮して激突しないように…という配慮だったわけだ。
 各駅文様には柳縞(新橋)、葦(汐留)、青海波(青海)、帆掛け舟(船の科学館)などがある中で、テレコムセンター駅は蝙蝠文様となった。駅ホームの説明版によると、群がって飛ぶ蝙蝠をデザインした文様で、江戸時代には文字の読みが「子守」に通じることから喜ばしい文様として人気があったよう。
 中国でも蝙蝠の「蝠」が中国語の「福」の発音と同じであることから、幸福の象徴として好まれるデザインという。
 テレコムセンターは駅南側のビルで東京メトロポリタンテレビジョンなどが入居。温泉テーマパーク「大江戸温泉物語」や日本科学未来館の最寄り駅でもある。

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