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レッドソックスとの衝突も覚悟! 松坂「右肘手術」の舞台裏

 右肘故障で一時帰国していた松坂大輔(30=レッドソックス)が再渡米したのは、5月30日夕方。チーム首脳陣と右肘の治療に関する話し合いをさらに重ねていく予定だが、松坂は『野球人生の大幅な修正』も覚悟しなければならないようだ。

<松坂が手術を受ける方向に傾いている>
 6月2日(現地時間)、複数の米メディアがそう報じていた。それに対して、レ軍首脳陣は対照的なコメントを残していた。同1日時点の発言だが、テリー・フランコーナ監督はこう答えている。
 「手術しないで治そうと考えるのが自然だ」

 松坂に近い日本の関係者によれば、「万全な状態に戻すため、彼自身は手術を受けたいと思っている」と話していた。レ軍チームドクター、及び球団トレーナーによる精密検査の結果は、「右肘の内側側副靱帯と屈筋群の異常」。その後、セカンドオピニオン(別医師による再検査)を担当したルイス・ヨーカム医師は、『右肘靱帯の損傷』と発表。つまり、レ軍チームドクターの診断以上に「深刻な結果」を伝えたわけだ。
 これによって、松坂とレ軍の間に『2つの大きな問題』が発生した。1つは、手術を受けたい松坂と、治療・リハビリだけで早期復帰させたいレ軍首脳陣との考え方の違いだ。米国人メディアの1人がこう解説する。
 「今さらですが、松坂獲得に投じた入札金は5110万ドル(約60億円)。年俸は6年総額で5200万ドル(年俸1年分は約7億円)。岡島(秀樹=35)は07年の入団時、125万ドル(約1億4700万円)。09年シーズンに田澤純一、斎藤隆を獲得しています。日本人投手にはそれなりの投資をしてきたものの、それに似合うだけの活躍をしていないと判断したからでしょう。岡島はかなり貢献したと思いますがね…。松坂が手術を受けることになれば、1年から1年半は投げられなくなります。契約は来年オフまで残っているので、レ軍は今季と来季、『投げられない投手』に125万ドルを払うことになります。大金をドブに捨てるようなものだから、手術をしないでくれというのがホンネでしょう」

 そしてもう1つは、松坂が信用されていないこと。過去、調整法を巡るイザコザもあったが、今回は『感情論』だ。一時帰国していた約1週間、松坂はボロクソに悪口を言われていた。それも地元・米ボストンのメディアを使って…。
 「何故、松坂が一時帰国したのかって? きっと漢方薬で治療するんだろう」
 悪意のある皮肉だが、まだマシな方だ。
 かなりヒドイ悪口が書かれていた。
 「地元紙には球団関係者とか、チームメイトが言ったとありましたが…。悪意のある捏造記事の可能性もあります」(前出・米メディア陣の1人)
 スラング英語の具体的な記載は避けることにする。動物の部位にたとえて、一方的に松坂をガンコ者などと見下した言い方をしていた。いくら成績不振でも、ここまで言われる必要はないはずだが…。
 前出のヨーカム医師は肩、肘の手術においては「権威」だという。一部報道によれば、『トミー・ジョン手術』が施されるとあった。復帰までは「早くて8カ月」、手術の成功率は「現在は90%」とのこと。松坂は気持ちを整理していくにしたがって、「10%の失敗を恐れる気持ちよりも、長く現役を続けるためにも手術を受けるべき」と判断したようだ。
 「日米を問わず、選手は優勝したいと思う気持ちが強いため、治療を後伸ばしにして現役を縮めた選手も過去にいました」(プロ野球解説者の1人)
 松坂の立場になれば、ここまで悪口を言われたら、無理をする気にはなれないだろう。
 日本時間の6月3日夕方、「松坂が手術を受けることが正式決定した」との一報が飛び込んできた。帰国後すぐにメスを入れられなかったのは「レ軍首脳陣を説得するのに、時間が掛かった」とも言われている。

 レ軍首脳陣は6年契約の大型マネーを投資している以上、来季も投げられるかどうか分からなくなる手術に納得がいかなかった。かといって、そんなことを露骨に言えば、権利主張にうるさいメジャー選手会も黙っていないだろう。松坂とレ軍はわだかまりを残すかもしれない。しかし、今回の松坂の手術による長期離脱は、日本人選手のポスティング制度を見直す契機にもなりそうだ。

※レ軍・フランコーナ監督、ヨーカム医師のカタカナ表記は共同通信社・配信記事を参考にいたしました。

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