「よく逃げられたと思います」
俗にいうイン勝ち。5Rの平田忠は、まったくプロペラが合わないままに本番を迎え、コースとスタートだけで持たせてしまった。
「伸びは悪くないけれど、出アシがねえ…。乗り心地も全然だったし、走る前はあきらめていたんですよ。前回のアシはよかったのに」
このレース、実は2着の烏野賢が、平田の前回エンジンに乗っていた。「その通り、道中迫られ気味でしたね」。1着を走りながら、自分がいいと感じたエンジンのプレッシャーを感じていたという。ここで覚えておきたいのは烏野のアシだ。
「チルト05で伸びはいい。これは前検、試運転と変わっていない。あとはピット離れと出アシの部分。回転を上げないと…。取り付けを考える」
伸びのよさは前走の平和島ダイヤモンドカップと共通している。そのときは勝負どころで安めを売ったものの、それまでの予選道中では、何度もまくりを決めていた。
「オレもやれるところを見せられたやろう」
休み明けから散々な内容だった。ようやく光明が見えて、ここに至る。かつてはテクニシャンの名を欲しいままにしたSGレーサーが、健在を示すシリーズになるか。
一方、復活を目指す選手に対して、「旬」の選手で争われたドリーム戦は、吉川元浩がインで外を寄せ付けなかった。
「プロペラと最後にやったキャリボディーが効きましたね。伸びがよくなって、ターンのかかりも気にならない」
スタートも「放り、放り」と様子見だったならまだ余裕。今後は外枠への対処を考える。