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競輪人国記 兵庫(5)

 兵庫の先行選手は「必ず先行する」気迫を持っている。ジャンカマシで有名だった高城信雄(77期)は平成8年4月のデビューからジャンカマシ専門で格上先行を潰しまくった。しかも地脚があるから直線でも我慢が効く。平成16年の大垣全日本では(2)(1)(1)(3)と、準決で吉田敏洋(愛知)をまくって山田裕仁(岐阜)吉岡稔真(福岡)を抑えて1着。決勝では内林久徳(滋賀)の優勝に貢献している。現在はS2に落ちているがまだ33歳の若さだ。故障を治してくれば、再び穴男の面目を見せてくれるだろう。

 デビューして期待されたのは中村美千隆(80期)だ。登りのもがき主体の練習でGI、GII戦2戦目の平成11年寛仁親王牌で(3)(1)(2)(9)と準決を突破した。果敢な先行は近畿の星といわれたが、師匠の井上和樹が沖縄に転籍してから成績も落ちてきた。だが、必ず先行に行く気迫は衰えていない。この人もまだ32歳。なにかきっかけがあれば、再浮上するはずだ。

 中村一将(86期)は「坂東学校」出身。この選手も徹底してカマシ先行やカマシ気味のまくりで戦ってくる。野球出身の適性組で、身体能力は抜群だ。競輪学校では66位だったが、着実に力をつけて昨年の福井ふるダビでは(1)(1)(8)(1)と3勝。準決は突破できなかったが、最終日は同県の松岡健介を使って番手まくり。格上の金子貴志(愛知)を4着に沈めている。

 今、兵庫期待の星は松岡健介(87期)だ。とくにまくり脚は強烈そのもの。展開不利でも脚が残っているとまくり追い込みで連に絡む。昨年の西武園・全日本選抜でも初日は石橋慎太郎(静岡)をまくって快勝、2次予選では山崎芳仁(福島)に敗れたが、3日目は中川誠一郎(熊本)をまくって1着と競走得点も115点台まで上がっている。今年の目標はGIII優勝、GI、GIIの決勝進出だろう。3月の岸和田・日本選手権での活躍はいまから楽しみだ。

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