そんな中、ドイツの大手スーパーマーケット『EDEKA(エデカ)』が行ったキャンペーンが話題だ。外観はどこにでもあるスーパーマーケット。しかし店内に足を一歩踏み入れると、商品が全くない。野菜の棚もお菓子の棚も全てが空っぽだ。これはどういうことなのか。その答えは店内にある覚書で見ることができた。
「外国人がいないということはこういうことです。ガラガラの棚は全くもって退屈でしょう」
実はこれ、人種差別への抗議を示すためのキャンペーンなのだ。これを行ったEDEKAによると、商品棚を使って“外国”を受け入れないとはどういうことか、人々に見て欲しかったという。
スペイン産のトマトやオランダ産のチーズなど、生活にとって欠かせないものでも外国産は一切排除。純国産のものだけを店内に並べたのだ。というよりほとんど棚に残っていないのだが、ここに訪れた多くの人は考えさせられたようだ。知らず知らずのうちに人種差別をしていないか改めて向き合う機会が生まれたという。
もちろんこの日は通常営業で、ワケを知らないお客さんはただただ不思議に感じながら店内を回っていたそう。1日の営業利益を捨ててでも社会性の強いメッセージを伝える辺りがドイツらしい。
ちなみに、ビール棚は健全で「ドイツ人が国産のビール好き」という結果を見せつけたと意外な声もあがった。いずれにせよ、話題になっているという点ではスーパーの狙い通りになったといえるだろう。