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バーデンバーデンC “自分の庭”福島でクーヴェルチュールが怪気炎

 夏のみちのく福島シリーズのオープニングは恒例のオープン特別「バーデンバーデンC」(芝1200m)で幕開けする。サマースプリントシリーズの第1弾・函館スプリントS(JpnIII、函館芝1200m 7月1日)を見据えた面々が、ここから熱い戦いを繰り広げる。
 初の古馬相手も気後れはない。福島の“申し子”クーヴェルチュールは今から1年前、この福島でデビューしワンサイドの逃げ切り勝ちを飾った。鮮やかな勝ちっぷりとともに、フランスの高級チョコレートが由来となっている馬名が話題になった。
 その後、福島2歳Sも優勝。これで福島は2戦2勝とパーフェクトを誇る。さらに特筆できるのは、全3勝を1200mで挙げていること。実際は、すずらん賞の1着降着(10着)があり、4勝していることになる。
 国枝厩舎のスポークスマン・佐藤助手は「本質的には1200mの馬ですね」と勝利のお膳立てが整っていることを強調。盛んに腕を撫している。
 桜花賞は悪夢の12着に終わり、リフレッシュ放牧に出された。美浦に帰厩したのは2週間前。久々に見た愛馬の印象を佐藤助手は「ちょっと細く感じたほど、体は仕上がっている」と言う。続けて、「休養中に精神面で成長し、オンとオフの気持ちの切りかえが上手になった。以前はエンジンが掛かったらブレーキが利かず、コントロールするのが大変だった」と笑う。すずらん賞の降着もそうした若さゆえ。
 「でも、今は乗り役が指示を出すまで我慢できるようになった」。その成果が1週前追い切り(7日)にも現われた。坂路で50秒1を楽々マーク。「動きは抜群に良かった」と話す佐藤助手の笑顔が弾けた。「オープン、重賞では最後もうひと伸びしないと勝てないが、気持ちに余裕ができた今ならそれができる」とも。
 3歳馬でハンデの恩恵も見込める。現にハンデを見るため、先週の中京・CBC賞にも登録するなど用意周到だ。“第二の故郷”福島で新生クーヴェルチュールをお披露目する。

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