「前走は正直、馬体がさびしかった。それに体も硬くて決していい状態とはいえなかった。それで勝つんだから能力は相当高い」
中川助手が振り返るように、レース当日はマイナス12kgでの出走。万全といいがたい体調の中で突出した能力をさく裂させた。
レース前に、一度はあきらめかけた桜花賞出走…それが現実のものとなった。しかも、主役候補の一頭として大舞台に立つ。その準備も整った。
「前走後のダメージが心配だったけど、この中間は楽をさせることなく、普通に乗ってきた。ソエも完全に治まり、歩様はすごくスムーズになった」
実質的な追い切りとなった1週前(3日)のDWコースでは5F66秒8をマーク。攻め駆けするタニノディキディキ(古馬1000万)をアッサリ1馬身突き放した。前走で減った馬体も回復、3歳女王の座に向けて完ぺきな仕上がりだ。
「調整面での不安もなく、楽しみを持って本番に挑める。極端に馬体が減らなければ大丈夫だと思うよ」
桜の舞台を前に、中川助手の瞳が輝いた。