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バッター専念 大谷の二刀流が研ぎ減るなんてことにならないか?

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大谷翔平

 エンゼルスの大谷翔平(24)が二刀流復活へのビジョンを明らかにした。東京写真記者協会が主催する「報道写真展」のオープニングセレモニーに出席した昨年12月18日、「開幕して少し経ってから軽く投げ始めるんじゃないかなと思う」と、投球練習再開の時期を打ち明けた。

 大谷が右ヒジにメスを入れたのは、昨年10月1日(日本時間2日)。過去の例からすると、トミー・ジョン手術後のキャッチボール再開は4、5か月後が目安だという。大谷の話す「開幕後」であれば、術後半年が経過している。決して早すぎることない。しかし、19年シーズンは打者一本で出場する予定。投手としてのリハビリをしながら、強行出場するのは「二刀流としての能力がすり減ってしまうのではないか?」とも懸念されている。

 米国人ライターが18−19年オフのエンゼルスの動向をこう説明する。

 「有名右腕のマット・ハービー投手と契約合意に達しました。ハービーは実績十分ですが、近年は不振にあえいでいました。復調を目指すハービーに賭けたのでしょう。また、野手では、フィリーズからFAとなっていたジャスティン・ボアを獲得しました。ボアは一塁手兼DH。19年の大谷は主にDHで出場するので、大谷を休ませる日を設け、ボアと併用していくと思われます。大谷直属のトレーナーもつけると聞いています」

 「投手・大谷」の代役と、「打者・大谷」をカバーするスラッガーの獲得。チームは二刀流をカバーしようと補強していた。

 「大谷は『出たがり』の性格です。プロ選手は誰でもそうですが、無理はしてほしくない」(特派記者)

 エンゼルスの新指揮官、オースマス監督は就任会見で19年中の投手・大谷の復活は「ない」と明言していた。二刀流復活に慎重な姿勢を見せているが、そもそも、トミー・ジョン手術とは「損傷した肘の靱帯を切除し、他の部位から正常な腱を移植する」もの。個人差はあるが、これまで同手術を受けた投手は復活まで「最低1年」を要してきた。

 「18年シーズン終盤、阪神の藤川球児が往年に近いストレートを投げるようになり、今季はクローザー復活を目指す意気込みまで見せています。その藤川もトミー・ジョン手術の経験者。彼が手術を受けたのは13年5月。肩や二の腕など周辺筋肉との感覚を合わせて、違和感を取り去るまでにこれだけの時間を要したとも言えます」(プロ野球解説者)

 一般的には、野手の場合は手術の影響が長引かず、翌シーズンにも出場できるという。

 「日本の野手にもトミー・ジョン手術の経験者がいます。利き腕がバッティングの押し手になる選手は手術箇所に負担が来るので、早期復活できないとされています。大谷は右投左打、メスを入れたのは右なので、影響は出ないでしょう」(前出・同)

 しかし、コーチ経験を持つプロ野球OBによれば、たとえ、右投左打のバッターであっても「空振りしたときに妙な衝撃が走る」と言う。

 「なんかヘンだなと思ったら、手術箇所が炎症していたり…。バットにボールが当たったときはともかく、空振りしたときが心配なんです。ボールが当たる衝撃を意識してバットを振るわけですから、その力が手術箇所にヘンに伝わって響くというか」

 大谷も術後の注意事項として、「空振りしたときの衝撃」も伝えられたはず。心配なのは、「空振りしていけない」と意識するあまり、自身の打撃フォームを見失ってしまうことだ。打者一本でのシーズン中は、素振りなどの練習もこなさければならない。二刀流の宿命ではあるが、必死になるあまり、「二刀流の剣は研ぎ減る」なんてことにならなければいいのだが…。大谷を送り出したNPBの関係者たちは「休む勇気を持て!」と心配していた。(スポーツライター・飯山満)

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