私は上京してすぐキャバ嬢になりましたが、学業と夜の仕事の両立はそう簡単なものではありませんでした。生活費等含め、全て自分で生計を立てていたので、時には一睡もせずに学校へ向かうこともありました。盛り盛りヘアのままで(笑)。
周りの子たちはサークルや部活動など、花の大学生ライフを楽しんでいる中、私は休み無く労働。不規則な生活が災いしてか、体調を崩しやすくなっていました。そしてよりによって、彼氏もいなく、頼る男がゼロ! という時期に、ちょっとした病気をしてしまい、入院沙汰になったことがありました。
普通だったらこんな時、お客様に連絡なんて、しませんよね。でも、私は、つい、してしまったのです。自分が弱っているときに頼りたいのはやっぱり男なのです。相手の名前は良介さん。実は、密かに思いを寄せていました。
彼はお客様、というよりはお兄ちゃん、といった感じで、彼からは一切金をもぎ取ろうとはしませんでした(笑)。そのくらい、プライベートでも仲良くしていて、彼は私のことを本名で、私は彼を「りょうちゃん」と言って慕っていました。入院生活って初めてだったのですが、想像していた以上に遥かに孤独。でも、りょうちゃんの会社が、偶然私が入院していた病院の近くにあったので、彼は毎日のようにお見舞いに来てくれたのです。
日本列島から離れた南の島出身の彼は、東北の田舎で生まれ育った私と価値観がぴったり。いつか東京に疲れたら、まちこのことを島に連れてってやるよ、なんて、たわいもない会話をしていました。彼の魅力はなんといっても素朴さ。長身で綺麗な顔をしていて、野球好きな普通のサラリーマン。もちろん私たちは、彼氏・彼女という関係ではありませんでした。しかし、あれから数年経ったつい最近、ある出来事が、彼との間に起こりました。
何が起こったか、次回、詳しくお話しますね。それでは、また。寒くなってきたので体調管理、しっかりしましょうね。
文:秋田まちこ
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