search
とじる
トップ > トレンド > 映画の祭典、感動のフィナーレ! 第23回東京国際映画祭クロージング・セレモニー

映画の祭典、感動のフィナーレ! 第23回東京国際映画祭クロージング・セレモニー

 六本木を中心に9日間に渡り行われた映画の祭典、第23回東京国際映画祭がいよいよ千秋楽を迎えた10月31日。クロージング・セレモニーとしてグリーンカーペット、そして表彰式が執り行われた。

 チェアマンの依田巽と映画祭大使を務めた女優・木村佳乃が受賞作品に贈呈されるトロフィーを挟んで立った瞬間、一斉にカメラのシャッター音が鳴り響く。オープニングでの黒と違い、今回木村はベージュのドレスに未を纏って登場。洗練された大人の艶やかさは観衆からもため息が漏れる程。
 その後も総合司会を務めたジョン・カビラ&久保純子のコンビ、コンペティション審査委員を務めたニール・ジョーダン、ジュディ・オング、根岸吉太郎ら、コンペティションノミネート作品やアジアの風、日本映画・ある視点受賞ノミネート作品に携わった監督や俳優・女優がグリーンカーペットを歩く。

 グリーンカーペットでのお披露目を終え、いよいよ受賞各作品の発表が行われた。各受賞作品は以下の通り。

◇TOYOTA Earth Grand Prix審査員特別賞 『断崖のふたり』(Nanga Parbet/Germany)
◇TOYOTA Earth Grand Prix 『水の惑星 ウォーターライフ』(Waterlife/Canada)
◇日本映画・ある視点 作品賞 『歓待』(深田晃司監督)
◇最優秀アジア映画賞 『虹』(Passerdy #3/Korea)
◇アジア映画賞 スペシャル・メンション 『タイガー・ファクトリー』(The Tiger Factory/Malaysia=Japan)
◇監督賞 『サラの瞳』(Sarah's Key/France)
◇最優秀女優賞 ファン・ビンビン『ブッダ・マウンテン』(Buddha Mountain/China)
◇最優秀男優賞 ワン・チェンユエン『鋼のピアノ』(The Piano in a Factory/China)
◇最優秀芸術貢献賞 『ブッダ・マウンテン』
◇最優秀監督賞 ジル・パケ=プレネール『サラの瞳』
◇審査員特別賞 『一枚のハガキ』(新藤兼人監督作品)
◇東京サクラグランプリ 『僕の心の奥の文法』(Intimate Grammar/Israel)

 最高の栄誉である東京サクラグランプリの栄光は、イスラエル作品である『僕の心の奥の文法』。監督のニル・ベルグマンと女優オルリ・ジルベルシャッツは作品の名前を読み上げられた瞬間から感激していた。光のカーテンを進む二人に館内から暖かい拍手が贈られる。ニル・ベルグマンは2002年、『ブロークン・ウイング』でもその年の東京国際映画祭グランプリを獲得。二度目の栄冠となった。
 「客席に座りながら何も賞はないんだと確信していたところでこの発表ですので、大変嬉しいです」と語るベルグマン監督。
 「いつも私は、『映画で一番重要な事は製作の過程であって、賞ではない』と言ってきました。しかし、二作目を作りまして、イスラエルでも非常に成功しましたし、今回日本に来てこのような賞を受賞できました。皆さんが私の映画を気に入って下さったという事で、今でもプロセスが一番大切だと思っていますが、賞も大事です」
 通訳の言葉の後、瞬間静寂が訪れたが、笑いが起こる。とにかく本当に喜ばしい受賞となった。

 審査員特別賞として壇上に上がった新藤兼人監督は、御歳98歳と当年最年長での受賞となった。新藤監督は「長く映画をやって来ましたけど、これが私の最後の作品であります。98歳になりました。もうこれ以上は無理だと思いますから、この辺でお別れをするという事です。皆さんもどうか元気で、いい作品を作って下さい」と述べた。
 コンペンション審査委員のニール・ジョーダン監督も「16歳の頃、新藤監督の作品を二本見ました。非常に感銘を受けまして、当時の日本の巨匠の作品は、私に感動を与えてくれました。」と述べる。先人の残した遺産を受け継ぐのは若い世代。次の世代に託したいという新藤監督の熱い思いは消える事はないだろう。
 来年も訪れるこの東京国際映画祭。2011年はどんな感動が待っているのであろうか。

(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))

関連記事

関連画像

もっと見る


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ