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思わずマジかよ! と叫んでしまった話 旅行同伴のはずが富士の山麓で2泊3日の宗教的修行をさせられた!

 <憧れの客が新興宗教の神がかりで入信を迫ってきた>
 「私、両親がクリスチャンだったんで、洗礼も受けてて、カタリナっていう洗礼名もあるの。だから神様とかそういう言葉に違和感ってあんまりなかったんです〜」胸元のクロスをいじりつつ、富士の麓で起きた2泊3日の恐怖体験を語り出したのは、吉祥寺のキャバクラ『C』のあゆさん(仮名・21歳)だ。

 浜崎あゆみを意識した髪型やメイクで、いかにもキャバ嬢主流派といったルックスのあゆさん。新潟から上京したばかりだった18歳の頃は、今ほど垢抜けてはおらず“なんちゃってあゆ”であった。「インテリアデザインの専門学校行きながらお水始めて、彼氏とかもいなかったから、アフターとか休日デートとかガンガンしてましたねえ。とにかく貢がれるっていう体験が初めてだったから…」
 そんな頃、彼女の太い客となったのが、店舗やカフェの空間デザイナーという30代前半のY氏。あゆさんもインテリアコーディネーターを目指していただけに、Y氏に憧れを抱くようになった。「青山とか代官山のカフェやバーをプロデュースしてる人。吉祥寺にも彼が手掛けたダイニングバーがあって…」彼がいつも身につけていた、太陽のマークのような、一風変わったチョーカーも、彼女の目には個性的なオシャレと映った。
 井の頭公園を見下ろすY氏の自宅マンションに、のこのこついて行ってみれば、室内はチョーカーと同じデザインの物で溢れていた。「正直、ダサッて感じ(笑)。だって、家具とかカッシーナなのに、そこにあのヘンテコなマークの物が置いてあると、すごく落ち着かない感じ。私もインテリアとか勉強してる人だったから。変だなって」
 しかしその奇妙なちぐはぐさも、部屋に馴れるとすぐに気にならなくなった。「Yさんは、そこでデザイン画のパースとか、過去の作品のプレゼンボードなんかを見せてくれて。それと一緒に自分がどうして成功したかいろいろ話してくれたんです。優秀なクリエーターであり続けるには、何よりもインスピレーションが必要だって」クリエーターには、ある一定期間が過ぎると、アイデアが枯渇する時期が訪れる。そこを乗り越えられるかどうかで、一流か二流かがハッキリするのだ。熱い語り口にあゆさんはうっとり聞き惚れた。

<「神様に会いに行こう」と言われても…>
 「彼は自分が一流になれたのは神様のおかげだっていうんですね。人の心には神様がいるけれど、それをどれだけ具現化出来るかで脳の活性化する割合が増えたり減ったりするって。神様って聞いて、私も一応クリスチャンだから、あ〜分かる分かるみたいな」
 「今度僕の神様に会わせてあげる」そうY氏に囁かれた時、あゆさんはまさかそれが生き神様だとは思ってもみなかった。山や海、大自然から喚起される、スピリチュアルなサムシングだと思っていたのだ。

 学校が夏休みに入った7月の末、Y氏から「神様に会いに行こう」と2泊3日の旅行に誘われた。「ただの旅行気分だったから、浮かれまくって。超オシャレして行ったの。富士山の方だっていうから、超絶景のリゾートホテルに泊まっちゃうのかな、なんてドキドキして」辿りついたのは人里離れた山中。
 「到着したよ」と車から下ろされると、目の前にはまるで公民館ような殺風景な建物。正面の壁の真ん中には、Yさん馴染みのモチーフがドーンと金色に輝いていた。「ここに、僕の神様がいるんだ。君にも同じパワーを感じてほしいんだ。だから今日から3日間、一緒にがんばろう」 結局あゆさんは、ここでワークショップと称する、早起きと瞑想と説教と内職の3日間を過ごすハメに…。

 「彼の神様って、新興宗教の教祖さまだったんですね。なんか昔、有名な漫画家だったとかいうオバちゃんでした。チラっとしか見えなかったけど。このまま監禁されたら…っていう不安でご飯が喉を通らなくて3キロ痩せたのが不幸中の幸いで」入信されそうになったことよりも、あゆさんにとって一番耐え難かったのは、ネズミ色のジャージの上下に着替えさせられた。「新興宗教とかって、服装がダサいから大っ嫌い!」こぶしを振り回すあゆさんであった。

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