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キムタクもシークレット出演、草なぎ剛主演作がDVD化出来ないワケ

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草なぎ剛

 ジャニーズ事務所を退所後も、主演俳優として引く手あまたのタレント・草なぎ剛。“新しい地図”として一緒に再スタートを切った香取慎吾、稲垣吾郎とは、歌手としてオリジナルソングを配信。それぞれには主演舞台&映画が相次いで制作され、今月28日には香取が“日本アカデミー賞監督”白石和彌さんとタッグを組んだ『凪待ち』が公開される。

 役者として名高い3人。だが、名俳優の草なぎには、世に出ることが許されないいわく付きの作品があるという。芸能記者が振り返る。

 「2000年7月期クールの連ドラ『フードファイト』(日本テレビ系)が、それです。01年には2度にわたって特番でよみがえりましたが、DVD化はされていません。理由のひとつが、この番組をまねた中学生が同級生とパンの早食い競争をして喉に詰まらせて、死亡する事件が起こったからです。さらに、出演していた女優の桜井幸子さんが芸能界を引退。そして、羽賀研二さんが詐欺・恐喝未遂で、いしだ壱成さんが大麻取締法違反で逮捕・起訴されたのも原因です」

 平均視聴率17.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)で、最高視聴率21.5%を叩き出した同作は、食品会社の地下で開催される非合法な賭博が物語のベース。草なぎ演じる井原満は、孤児院育ちで、一流企業の清掃員。しかし、それは表の顔で、ウラの顔は、政財界の大物だけが参加できる大食い賭博ゲーム『フードファイト』のファイター。勝利で獲得した賞金を、みずからが育った孤児院に寄付していたという内容だ。

 井原は、飼っている九官鳥が唯一の友だち。そのボイスキャストを務めていたのは、当時はSMAPのメンバーだった木村拓哉だ。作中では変声されていたため、その正体はベールに包まれたままだった。ところが、最終回のエンドロールで突然、「木村拓哉」の文字が流され、ようやく全貌が明らかになるというイキな演出だった。

 同作ではもうひとつ、連ドラとしては異例な手法が取られていた。全11回の予告編が、次回の名シーンのダイジェストではなく、映画監督でCMディレクターの石井克人さんによる完全撮り下ろしだったのだ。手間暇かけた数秒間が斬新だったというのも、高い視聴率を堅持できた理由のひとつだ。

 これがきっかけとなって、石井さんは01年、フジテレビ系『世にも奇妙な物語 SMAPの特別編 BLACK ROOM』を撮った。さらに、その年の8月8日にリリースされたSMAPのショートフィルムビデオ&DVD『Smap Short Films』内の『MUSIC POWER GO! GO!―ダモン君の巻―』でも、メガホンを取っている。同作は、草なぎと香取を主とした短編映像だ。

 草なぎの作品から広がったキムタク、香取といったSMAPの輪。その発端が2度と観られないNGドラマになったことは悔やまれる。
(伊藤由華)

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