そもそもV6は、今年で結成23年のベテランユニット。森田と三宅健がジャニーズJr.時代にズバ抜けた人気を得ていたために結成された。年上で経験豊富な坂本昌行、長野、井ノ原は、20th Century(トニセン)。年少組でフレッシュさが自慢だった森田、三宅、岡田がComing Century(カミセン)。双方には今なお、埋められない格差が生じている。察しの通り、カミセンがVIP待遇を受けている。
デビューは95年。デビュー曲『MUSIC FOR THE PEOPLE』は、フジテレビ系の『バレーボールワールドカップ』の大会テーマ曲に起用され、大会サポーターも務めた。このV6を皮切りに、99年の嵐、03年のNEWS、07年のHey!Say!JUMP、11年はSexy Zoneが、バレーでデビューのきっかけをつかんでいる。
V6が大役を務めた初年度、ほんとうはバレーではなくサッカーで推し進められていたという。Jリーグの発足に伴い、押し寄せるであろうサッカーブームに便乗しようとしたのだ。グループ名は、V6ならぬJ11(ジェイイレブン)。長野、井ノ原、森田、三宅、さらには嵐の大野智などが招集されたが、目標の11人に達しなかったため頓挫。仕切り直して6人に減少して、バレーに切り替えられた。
この「V」と「6」には、さまざまな意味がある。「6」は当然、メンバーの数。「V」はVolleyball(バレーボール)はもちろん、勝利のVictory(ビクトリー)、トニセンvsカミセンの構図からVersus(バーサス:対)の思いも込められた。名付け親は、過去のジャニーズグループをすべて独断で決めてきたジャニー喜多川社長だ。
ジャニーさんはこのとき、坂本の実家が八百屋であることを思いだし、Vegetable(野菜)も加えた。さらに、長野の実家が自転車屋であることから、「自転車のバイシクールもV(はじまり)だし」と続けた。しかし、自転車の綴りはbicycle。「V」と無関係だった。同じトニセンの井ノ原が、「社長、僕はなんですか?」と問うと、「ベテラン(Veteran)だよ」という名答で、オチを付けたという。
ジャニーズの長きにわたる歴史に、確かな爪痕を残したV6。こうなると、独身の三宅と最年長の坂本にプレッシャーがかかるか……。