『名医のTHE太鼓判』は2017年から放送されているバラエティ番組で、不健康に見える芸能人を医師が診察する様子を放送する内容。安田大サーカスのクロちゃんが「2型糖尿病」と診断され、生活の見直しなどを提案されながら「逆ギレ」し、ブレイクしたことで大きな話題を呼んだ。
名目上は、芸能人の健康管理を促す、不摂生な生活を送ったことによる弊害を周知させる、健康に良いと思っていたことが実は良くないということを指摘する、そして、健康のためにどのようなことに気をつけるべきかを提示する、さらに、芸能人の身体を医師の指導や食事療法で改善させることで注意を促すなどの意義があるとされてきた。
ところが、8日の放送内容は「芸能人に余命を突きつける」というもの。このような企画は以前にも放送されたことがあるが、今回は放送前に、出演者の演出家・宮本亜門が番組での人間ドックの結果、前立腺ガンが発見されたことが判明。自身のツイッターでショックを受けるツイートを行い、同情や応援の声が集まっていた。
また、ムード歌謡グループ「純烈」の後上翔太が肺気腫に、酒井一圭が脂肪肝になっていることも報じられていただけに、「実際にガンが発見された人に余命宣告スペシャルとか不謹慎じゃね?」「芸能人の病気で視聴率稼ぐって酷くない?」「人の病気を面白おかしくバラエティにしていいの?」など、一部から批判的な声が挙がった。
「芸能人の健康をサポートし、改善方法を提示することで、一般人にも注意喚起することが番組の趣旨なのでしょうが、『芸能人に余命を突きつける』演出が適切であるか否かは再考の余地があると思います。
特に、今回は実際にガンが発見されてしまい、リアルに死の危険と向き合わなければならなくなった出演者もいる。宮本亜門さんの場合は早期だったようですが、手遅れの状態で発見された場合どうするつもりなのか。
人の健康は当然、生死に直結している。本来はバラエティ化するべきものではないし、余命宣告なんてもってのほかです」(芸能関係者)
高額なギャラを支払っているとはいえ、余命を突きつけられた人間の気持ちも考えるべきだろう。