例えば、《Everyday、カチューシャ》の最後、突如「every every everyday」以外の謎の言葉が歌われていて、聞き取れないことに疑問を抱いた人は多いのではないか。
「あの『なんとかセイyeah』みたいに声が混濁して聞き取れなくなる歌の箇所は、『月火水木金土日(にーち)』と歌ってるんです」(AKBに詳しいライター)
ほんとだ。間違いなく、そう歌っている。ある意味、衝撃である。
では、同様にヒット曲《RIVER》の後半で、『流れ速くても』に重なるように、『リノ!』と男前な感じの掛け声が数人からかかっている箇所は、何と歌っているのか。
「それは、『びりのん、びりのん、びりのんびりのんびりのんびりいこうぜ!』と歌っています」(同)
なるほど! かっこいいのではないか。
まだまだあるらしいが、48グループのひとつである、SKE48のシングルタイトル曲にも目を転じてみよう。彼女達の代表曲である、70年代ディスコ調の《1! 2! 3! 4! ヨロシク!》は、間奏に入って少しすると外国語のラップのような呟きが入るが…。
「歌詞の中にもある『1、2、3、4』と『5、6、7、8』を様々な外国語で順に歌っているのです。フランス語の『アンドゥトロワカトル』、韓国語で『イーシビルサムシプサムヨンシッイルシビル』、中国語で『ウーリューチーパー』、ドイツ語の『アインツヴァイドライフィーエ』、そうして最後に英語で『5、4、3、2、1』とカウントダウンしています」(同)
もはや、ゲームの隠しコマンドを知ったような、得した気分である。
これらの“裏演出”には、どんな思いが込められているのだろうか。
「AKBは、初代音楽プロデューサーからの伝統で、売れない時代の楽曲をバックナンバーで振り返った時『何、コレ?』などとは言われないように、凝ったサウンドを作り続けてきました。歌詞上の裏演出も、そんなサウンドクリエイターたちの伝統が反映されているのではないでしょうか」(AKBに詳しい芸能記者)
一説によると、48グループのひとつの劇場公演の全曲がアレンジまで含めて完璧に仕上がるまでに、5日間もかからないそうである。そんな秋元氏を中心とするAKBスタッフらの楽曲に賭ける想いと士気の高さが、歌や「声」を任されるメンバーたちのノリと合わさった瞬間、AKBの曲のカラフルな魅力ははじけるのかも。