今回の対戦相手は、元ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者ポンシリー・ポーシリポン。タイの強豪だ。ザカリア・ゾウガリーと、チャムアトーン・ファイタームエタイへのリベンジを誓う海人にとっては負けられない闘い。昨年11月から12月にかけて両国国技館という大舞台を続けて経験しただけに、この経験をプラスにしたいところ。
「今回もタイ人選手で強い人なので、どんな展開になったとしても圧倒して勝ってシュートボクサーの強さを見せたいと思います」
今大会でチャムアトーンへのリベンジ戦を希望していたが、チャムアトーンのスケジュールが調整できず、ポンシリーとの対戦が組まれただけに、負けられない気持ちはさらに強くなっている。ただ勝つのではなく「圧倒して勝つ」という発言は、そんな気持ちの表れなのだろう。
「取り組んでることは、しいて『この技を鍛えてる』っていうものはないですが、全体的なレベルアップを意識してます!」
海人といえばヒジのイメージが強いが、ボクシングジムへ出稽古するなど、パンチにも磨きをかけており、もちろんキックも鋭さを増している。「調整は順調」と本人は話しているが、まだまだ成長期で可能性を秘めているのが、海人の魅力であるのは言うまでもない。
「シュートボクシング(SB)を改めて背負って戦うことになるので、これからもタイ人に限らず世界の強い選手と闘ってSBの強さを見せていかなければいけないという気持ちがさらに強くなりました。一般的にムエタイは世界最強の立ち技格闘技と言われているので、僕がヒジ、ヒザなど、どの技でもムエタイ選手を上回って勝つことでSBが最強ということを証明していきます」
昨年11月に開催された『S-cup 65kg 2018』に優勝し、世界王者になった。シュートボクシングの“エース”としての意識も芽生え、明確なビジョンも描けるようになった。昨年はRIZINやKNOCK OUTなど、SB以外の格闘技イベントにも出場。S-cup優勝後に出場したKNOCK OUTでは、KNOCK OUTの番人・水落洋祐を相手に激闘の末、3RTKO勝ちを収め、「これが立ち技最強のシュートボクシングです」と高らかに叫んだ。初めて海人を見たKNOCK OUTファンの心をつかんだことだろう。
プライベートでは「メガネやサングラスが好きなのでいろいろ見て買ったりしてますね」と話す海人だが、特にサングラスにハマっているそうで、「40個以上はありますね」という。甘いマスクに177cmと長身で。スタイルもいい。格闘技界のファッションリーダーの一人として、SBや格闘技を見るキッカケになるような存在になれる逸材でもある。
「今回のポンシリー戦で去年よりもっと強くなった姿をお見せしたい」
“SBの若きイケメンエース”海人の2019年が2月11日から始まる!
取材・文・写真 / どら増田