これを受け、ネット上では「自分が好きだったフジテレビの本当の終わりだな」といった懐かしむ声が聞こえる一方で、「だから何?」といったそっけない反応も多い。
「とんねるずは、30代以上にとっては“良き兄貴分”といった存在です。最後に向けられたメッセージに感動した人も多いのではないでしょうか。しかしながら、最終回恒例の総集編は一切なく、身内ネタの極みといえる、うたばんネタになってしまったのは、ある意味では残念といえるでしょう」(放送作家)
やはり際立つのは、バラエティ番組の苦しい制作事情であろう。1997年3月に放送された前番組『とんねるずのみなさんのおかげです』の最終回と比較すれば明らかである。
「『おかげです』の最終回は2時間越えの特番であり、最後は小泉今日子が参加したコントでシメとなりました。その後、新宿区河田町から港区台場へ移転するフジテレビの風景をバックに、とんねるずが歌う当時のエンディングテーマ『テレビ〜時々の神よ〜』が流されました。そこに歴代のオールスタッフのクレジットが流れ、構成作家には、現在は脚本家として活躍する三谷幸喜や、『とんねるずのオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)のハガキ職人出身のアラヤダイスケ、とんねるずの帝京高校の同級生だった吉野晃章さん(04年4月死去)の名がありました。そのほか、ディレクターには現在映画監督として活躍する李闘士男などそうそうたる面々が並んでいました。30年の番組の最後はこうしたシメを期待したのですが、なんともあっけないものでしたね」(前出・同)
常にバブルの絶頂にいるような、パワフルなフジテレビはもう戻ってこないと思わせる寂しい最終回であったともいえるだろう。