『極タウン』は東野幸治がMC、恵俊彰がパネラーとなり、ディレクターが取材してきた世界各地の移住候補先のVTRをスタジオで眺める構成が取られてきた。いわゆる「サブだし」系の番組であるが、視聴率はふるわなかったようだ。
「『極タウン』は最近増えている世界旅系バラエティのひとつですね。現地にタレントや若手芸人ではなくスタッフを向かわせるので、制作予算のかからない『安上がり』な番組と言えます。その分、構成に工夫が必要だったといえるでしょう。東野幸治は名MCとして名を馳せ、ナインティナインの岡村隆史とも親交があるだけに、番組を維持できなかったのは無念に感じているのではないでしょうか」(放送作家)
フジテレビの土曜8時といえば、『めちゃイケ』の前は『オレたちひょうきん族』が1981年から89年まで放送されていた伝説の枠である。裏番組の『8時だョ!全員集合』(TBS系)と熾烈な視聴率競争を繰り広げ終了に追い込むさまは「土8戦争」とも呼ばれた。だが、『ひょうきん族』終了後、この枠は1996年に『めちゃイケ』がスタートするまで“長い冬の時代”を迎える。
「『ひょうきん族』終了後は、2つの短命番組のあと『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』が1990年にスタートします。人気番組となりますが、放送中の死亡事故を受けて1993年6月に番組が打ち切られます。その後は『ボクたちのドラマシリーズ』(半年)、クイズ番組の『ゴールデンタイム』(半年)、『学校では教えてくれないこと!!』(11か月)、『BANG! BANG! BANG!』(9か月)と短命番組が続きました。『極タウン』の短期終了はこうした過去を思い起こさせますね」(前出・同)
フジは『スマスマ』の後番組も短命となっているだけに、やはり負のスパイラルを引き起こしたくないのではないか。