全日プロ年末恒例の最強タッグに向けて横浜市内の道場で、カール・ゴッチ門下生という共通点を生かし、ゴッチ式トレーニングを敢行した渕と西村。ゴッチ式トレーニングは、ダンベルなどのウエート器具を一切使わずに、己の体重のみを付加とするトレーニングだ。
「スクワットや腕立てなどさまざまパターンがありますけど、オーソドックスなんです」という西村の言葉通り、プッシュアップ、かかとをつけないブリッジ、2人でタオルを引っ張り合うなど地味だが、効果的な練習を何度も繰り返した。
互いに充実したトレーニングをこなしたことで自然と舌も滑らかに。「優勝宣言したらおこがましいけど、そう言ってもおかしくない」(渕)「優勝を目指します」(西村)と両者ともに初タッグへの手応えを口にした。
しかし、この合同練習に秘められた効果はそれだけではなさそうだ。西村が「ゴッチさんだけじゃなく、ドリー(・ファンク・ジュニア)さんという共通点ある」と意味深なコメントをすれば、渕も「アイツがスピニング・トーホールドを使うならオレはテキサスクローバーホールドを考えている」とほのめかした。
「テキサスクローバーホールド」と言えばファンク兄弟の弟テリー・ファンクが得意としている技。パートナーの西村は兄ドリーからスピニング・トーホールドを直々に伝授されており、最強タッグに“和製ザ・ファンクス”として参戦することになりそうだ。西村は「和製ファンクス?そうともとれますね。オールドファッション、オールドスクール戦法を駆使して戦いたい」とニヤリ。
さらに今年は最強タッグの前身である「世界オープンタッグ選手権」が開催された1977年からちょうど30年の歳月が過ぎた。30年前の「オープンタッグ選手権」を優勝したのが「ザ・ファンクス」だった。現に渕も最強タッグについて「30周年記念大会なんだよ。全日本プロレスも35周年って“縁”というものを感じます」とコメントしている。
渕と西村による“和製ザ・ファンクス”。テキサス魂を見せつけ、最強タッグに大きなうねりを起こすことができるか。