「試合の流れを変える必要があるときは、奇襲を仕掛けるかもしれない。短期決戦では相手に『何をするか、分からない」と思わせるのも戦略のひとつになる」
本籍がある巨人では、いつも王道野球を標榜している原監督がWBCの作戦として、そう明かしたことがある。球界OBが言う。
「まあ、報道陣向けのリップサービスだろうけど、原を支えるWBCのコーチ陣には百戦錬磨の人材がそろっている。原はお飾りとは言わないまでも、そのコーチらが相手に応じて作戦を練るはず。集団指導制だな。後はそれを選手が実行できるかどうかだろう」
2連覇できる確率は50%以下と見ているのが、この球界OB。理由は野球が国技といっていいキューバはもちろん、ばりばりの大リーガーで固めるドミニカあたりがシャカリキになって日本を潰しにかかると読んでいるからだ。
「優勝は、各国持ち回りぐらいの軽い気持ちで臨んだほうが、結果が出せるんじゃないか」
ところで、WBCの話題以外で扱いは小さいが目を引いたのが、オリックスのテクニカルアドバイザーを務めるトルネード野茂の指導ぶり。身振り手振りどころか、お手本に140キロを超える力のある球を投げて周囲をびっくりさせた。
「おしゃべりではないから実際に投げてみせたのだろう。かなり太めの体であの球威。さすが元大リーガーは違うということだな」(同)
現役復帰させようとする球団が…は、さすがにないか。