やっぱりサムライパワーはすごかった!?
この日、対戦した横浜は“お得意様”にしていたが、序盤は新人右腕の藤江均をなかなか打ち崩すことができなかった。
だが、2点リードされて迎えた8回、眠っていた強力打線が本領を発揮した。小笠原が抑えの山口俊からプロ通算3000塁打となる3点本塁打を放ち逆転に成功。李承●(●は火へんに華)、この日、亡くなった祖母・喜代子さんに捧げる阿部の一発で畳み掛けた。
巨人は華麗な逆転勝ちで2カード連続の勝ち越しに成功した。原辰徳監督も「価値のある逆転3ラン。非常にエンジンのかかりが悪かったが、最後はウチも空中戦ができた」とニンマリ。復活の手応えをつかんだ3人に「これをきっかけにしてくれればいい」とさらなる躍進を促した。
ここまで調子が上がらなかった小笠原と阿部はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、調子のピークを3月末に持っていくために早めの調整を余儀なくされた。その反動もあってか、ここまでいまひとつ波に乗り切れていなかったが、この日の本塁打で火が着いた。自慢の強力打線は覚醒しつつある。
この勝利にはサムライジャパンのパワーが大きく関わっていた。今季、小笠原と阿部が同時に打点あげたのは29試合中3試合あり全勝。さらに亀井も合わせWBC組の3人のうち、いずれか2人が打点をあげた試合は6戦全勝している。まさに巨人で新たな不敗神話となる“サムライ伝説”だ。
「今季は完封負けも多いが、誰かがカバーしていく状況になれば(完封負けは)防げる」(原監督)とWBCの教訓を生かし快進撃を続ける巨人。このWBC神話はいったいどこまで続くのか。