本作は2016年に単発版、2018年に連続ドラマ版が放送された人気ドラマシリーズの続編である。女性にモテない独身男性・春田創一(田中圭)と、彼に想いを寄せる上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)や周囲の男性との恋愛模様をコミカルに描いた作品だ。
単発版では、商品販売会社を舞台に、春田と黒澤、そして春田の後輩である長谷川幸也(落合モトキ)との三角関係が描かれた。その後放送された連続ドラマ版では、不動産会社を舞台に、春田と黒澤、後輩の牧凌太(林遣都)の三角関係が描かれ、少女漫画さながらのロマンチックかつドラマチックな展開で、単発版以上に大きな反響を呼んだ。
本作では、春田と黒澤は登場するものの、舞台は航空会社に変更され、人気キャラクターであった牧が登場しないことが原因で、シリーズファンからは「牧がいない『おっさんずラブ』なんて『おっさんずラブ』じゃない」「牧が登場しないなら見ない」と批判の声が相次いでいる。また、仕事上では真面目でクールだが、実はキス魔という新キャラクター・成瀬竜を演じる千葉雄大に対しても、ファンからは「いくら千葉雄大でも、牧の代わりにはならない」「今までのぶりっ子キャラが定着しすぎてクールな役に違和感」という不満の声が集まっている。
さらに、本作の予告編では、春田によるオーバーな“顔芸”や、成瀬が春田にキスをしてそれを目撃した黒澤が悲鳴を上げるなど、全体的にコメディ色の強いドタバタな展開が描かれた。ファンからは「今回コメディ色強すぎて萎える。牧がいた頃のロマンチックな雰囲気とか、カップルあるある的な悩みを入れる感じが好きだったんだけどな…」「完全にコメディ路線に振り切ってるよね。BLというより、もはやギャグみたいな感じ」「前作とはもう“別物”って感じがすごいある。設定もそうだし、演出がもうふざけすぎてるから、ちょっとギャップについていけない」という批判の声も挙がっている。
「連続ドラマ版では、恋人同士だった春田と牧が、同性カップルであることを周りに隠したり、ヤキモチを焼いたり、気持ちのすれ違いで別れそうになったりとカップルならではの悩みが丁寧に描かれていました。コメディ的な場面のほか、ロマンチックな場面やシリアスな場面も多く、そのサジ加減がよいと評判でした。しかし、本作ではコメディ色が強く、“ドタバタ感”も強まっているため、前作とのギャップを感じるファンも多いようですね。
ただ、コメディ色が強いのは単発版も同じで、むしろ単発版のファンは2018年の連続ドラマ版で随所に描かれた“BL感”に違和感を覚え、離脱してしまう人も多かったようです。単発ファンからは本作のコメディ路線の演出に対し、『単発版の雰囲気が戻ってきたみたいで嬉しい』『前作はガチっぽいBL感が苦手で見てなかったけど、このくらい振り切ってたら見やすいかも』という声も挙がっています。今後は、一度離れた層のファンを散り戻せるかが人気獲得のカギとなるでしょう。」(ドラマライター)
果たして本作は、批判を覆すことができるのだろうか。今後の放送情報に期待したい。