だが、この企画が思わぬ副産物を生み出す。芸人たちがテレビでプレゼンした家電が各量販店でバカ売れし、ちょっとした好景気が巻き起こったのだ。例えば、土田晃之が絶賛した加湿空気清浄機「KC-W65」は品切れ状態の大ヒット。雨上がり決死隊の宮迫博之がイチ押した掃除機「EC-VX 200」も飛躍的に売り上げを伸ばしている。また、この家電ブームはお笑い界だけではなく、芸能界全体に広がっている、俳優の細川茂樹も家電マニアとして仕事の幅を広げているのだ。
この思わぬ経済効果に目をつけた一部のメーカーが、家電芸人の事務所に自社の新商品を送りつけ、テレビや雑誌で話題にしてもらうべくプロモーションを展開しており、某芸人の自宅などは、メーカーから送られた新発売の電化製品で、自宅が溢れかえっているという。
だが、この家電芸人の特需にあずかったのは、メーカーと量販店だけであり、“町の電器屋さん”は蚊帳の外であった。だが、量販店の攻勢の前に苦しむ“町の電器屋さん”を救う真の家電芸人がいた。それが、かつて「ハンダース」や「アゴ&キンゾー」で一世を風靡したあご勇である。
あご勇は、現在大阪に本部がある「アトム電器」のセールスマンを務めており、関東各地を訪問販売で廻っている。このアトム電器こそ、全国の“町の電器屋さん”736店舗が加盟するフランチャイズチェーンであり、個人商店の復興を目指す企業なのだ。今やあごは、太陽光発電、オール電化などの省エネ家電のセールスマンとして日々飛び回っており、エコに詳しい家電芸人として、密かに主婦の人気を集めている。
薀蓄ばかりを語る家電芸人はもう飽きた。次回は、実際に己の足で家電を売り歩いているあご勇に『アメトーーク!』に登場してもらいたい。真の家電芸人は、あご勇だ!