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中畑監督が「続投要請」を辞退する?

 8月の月間成績は10勝16敗。9月最初の中日3連戦は白星スタートを切ったが、中畑清監督(61)は試合後、「負けゲームだね、ハッキリ言って。(山口)俊の情けなさ。相手をなめているとしか思えない怠慢プレー。(登録を)抹消しても、替える投手が準備できていない。お家の事情は苦しいです」と、いきなりの嘆き節だった。8月の大失速により、一時は最下位にも転落した。現状を見る限り、中畑ベイスターズはクライマックスシリーズ進出も厳しいのではないだろうか。
 「中畑監督がボヤきたくなる気持ちも分かります。9月1日の中日戦では捕手の嶺井が打撃妨害を取られ、プロ野球記録に『あと6』と迫る、今季チーム62個目となる暴投など、ミスの連発です。気の短い監督だったら、報道陣に八つ当たりでしたよ」(プロ野球解説者)
 気になるのは、嘆き節の絶えない中畑監督の今後だ。

 中畑監督は7月に南場智子オーナー(53)ら球団幹部と会談し、すでに来季の続投を要請されている。前半戦の好調さと、日本一になった98年以来17年ぶりの首位ターンが決め手になったようだが、中畑監督はその場での返事を保留している。
 「シーズン中、指揮官の進退に関する情報はチームに強い影響を与えます。どちらかと言うと、悪いほうに出るケースが多い」(球界関係者)
 選手の立場から言うと、信頼する指揮官の残留は気の緩みにつながる。レギュラー、一軍登録を勝ち取った者は「チームの勝敗に関わらず、来年もまた使ってもらえる」と思うからだ。また、チャンスに恵まれない選手にすれば、「来季もスタメンで出られそうにない」と諦めにつながる。選手の信頼を得ていない指揮官の事例は言うまでもないだろう。
 中畑監督は伝統球団・巨人で現役時代を過ごした。巨人は監督人事でマスコミに格好の餌食にされてきた。タイミング外れの指揮官の続投発表がチームの緊張感を喪失させるのを実体験しており、中畑監督は正式発表後のチームの影響を懸念し、返事を保留したという。
 「DeNA経営陣とすれば、今季の勝敗に関係なく中畑監督に残ってもらいたいと考えています。実際に若手も育っており、観客動員数は年々増えている。収益増の最大の功労者である中畑監督を辞めさせる理由はない」(前出・プロ野球解説者)

 早期の続投要請は「期待の表れ」でもあったらしい。時期外れな続投要請による緊張感の喪失、中畑監督の懸念は的中してしまった。
 「最下位争いをしているようでは、中畑監督のほうから『責任を取って辞めたい』なんて言い出しかねない」(前出・同)
 先頃、阪神・和田豊監督(52)の続投が一部メディアで報じられた。阪神・坂井信也オーナーは「まだ話し合っていない」と、続投も退任も明言せず、その報道を否定していた。奇しくも、両監督とも就任4年目。だが、阪神は優勝を狙うチームであり、DeNAは長年Bクラス低迷が続いた新興球団だ。当然、監督に課された使命も異なってくる。ひょっとしたら、中畑監督は“新興球団の気質”から脱することのできないフロントにも、訴えたいことがあるのかもしれない。

 過去3年、中畑監督は5位と最下位の成績しかおさめていない。他チームであれば、続投を早々と要請されることはなかったはずだ。選手批判をしなかった中畑監督の投げやりなボヤキがちょっと気になる…。

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