「僅差とはいえ、100試合を過ぎてセ・リーグ首位に立っています。このまま優勝、日本シリーズ進出となれば話は別ですが、近年、阪神は終盤戦の勝負どころで失速する傾向があります。それに、6月の株主総会(本社)でも、出席者から『監督交代』を求める発言がされています」(プロ野球解説者)
人気球団では、監督人事も集客の一環となる。メディアと組んで監督の続投、交代や、人気OBの名前を出して「コーチ入閣説」の見出しを立て、ファンの反響を探るという。仮に今回の和田監督の続投報道が“観測気球”だったとすれば、先の株主総会ではないが、和田監督の人気を改めて探り、反対の声が出るか否かを探っているのかもしれない。
「阪神は球団創設80周年のメモリアルイヤーを戦っていますが、年間指定席の売れ行きが芳しくなかった。観客動員数は微増といったところ」(球界関係者)
和田監督の采配に関する評価だが、
「終盤戦の勝負どころで失速したが、昨季はCSを勝ち上がり、日本シリーズにコマを進めています」(前出・同)
と、評価する声も聞かれた。
8月20日(対巨人20回戦)、和田監督はロースコアの投手戦をモノにできなかった。藤浪晋太郎と菅野智之の投手戦は見応え十分だったが、阪神打線が好機を自ら潰してしまった感もしないではなかった。
7回一死二塁では7番・江越に代打を投入したが、凡打。続く8番・鶴岡には代打を出さず、残塁…。9回も同じく得点圏に走者を置いた一死二塁で、途中出場で守備に入っていた俊介をそのまま打たせてライトフライ。ここで、代打に新井を出したが、菅野は2アウトを取った時点で息を吹き返していた。
「なぜ、代打の切り札である狩野を使わないんだ!?」
そんな声がネット裏で飛び交っていた。
このチグハグな代打起用が、12奪三振、141球と踏ん張った藤浪を見殺しにしてしまった。
「一方の原監督は得点圏に走者を背負った7回には自らマウンドに行き、檄を飛ばし、8回裏の一死満塁の場面で高橋由を代打に送りました。高橋由の代打は失敗したが、球場の雰囲気は確実に変わりました」(前出・プロ野球解説者)
この試合を落とし、阪神は今季の対巨人戦での負け越しが決まった。改めてデータを見直してみたが、4年連続の負け越しだ。ということは、和田監督はまだ一度に巨人に勝ち越したことがないわけだ。
ファンを納得させ、かつ気持ち良く続投を勝ち取るには優勝が必須条件となりそうだ。