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中畑DeNAに消し去った? グリエル問題にNPBはどう対処するのか

 中日ドラゴンズ戦との接戦を振り切り、中畑DeNAが再び単独首位に立った。チーム防御率は4点台だが、チーム打率2割8分7厘は12球団トップ。4番筒香も開幕から好調をキープしているせいか、中畑清監督(61)もさらに輪をかけて饒舌になっていた。
 「もし、このままグリエルがヤンキースに入団するようなことになったら、日米協定にも影響するのではないか…」(ベテラン記者)

 ユリエスキ・グリエル(30)が故障を理由に来日を拒否し、そのまま解雇された。日本の自主トレ期間にあたる1月から、「来日が大幅に遅れる」との一報はDeNAにも届いていた。キューバ国内リーグで在籍するチームが勝ち進み、カリビアンリーグやプレーオフを戦うためで、その全ての日程を消化するのは「2月下旬から3月上旬になる」と告げられていた。そこから、若干のオフを挟んでからの来日となれば、開幕ゲームには間に合わない。中畑監督もグリエル合流は4月半ばと覚悟していたはずだが、
 「グリエルが来日しないショックは、選手たちはさほど感じていないと思う。キャンプ、オープン戦を一緒に戦っていないからね。仮にチームが開幕ダッシュに失敗していたら、グリエルに対する恨み節も出たかもしれない。ただ、政治的駆け引きに発展しかねないので、球団内部は今も慎重に事の推移を見守っています」(球界関係者)
 との声も聞かれた。

 『政治的駆け引き』とは、グリエルが今シーズン中にメジャーリーグチームと契約した場合のこと。日米協定でも事前交渉は禁止されている。DeNA球団はすでにグリエルの契約を破棄した。しかし、グリエルは米ヤフーニュースで「世界最高峰のレベルでプレーすることは、全選手の夢」と語り、希望球団としてヤンキースの名前も挙げていた。
 「アメリカとキューバが国交正常化に向け、政治的話し合いも進んでおり、キューバ選手のメジャーリーグ移籍が加速するのは必至です。こうした動きにグリエルが“心変わり”したのでしょう」(前出・関係者)
 グリエルはいったん、DeNAと年俸3億5000万円で契約した。「怪我がどうの…」とダダをこねだしたのは契約締結後だった。

 仮にグリエルが日米双方のシーズン終了を待ってメジャーチームと交渉したとしても、日本球界が黙って見過ごすべきではない。日米協定違反、タンパリングの疑念を米球界側にぶつけるべきである。
 「2003年、マーリンズのケビン・ミラーが中日と契約した後、『日本に譲渡することを対象としたウェーバー公示に対し、米球団は応札しない』という日米紳士協定をレッドソックスが破り、結局、ミラーはレ軍にかっさらわれてしまいました。そういう過去もあるだけに、有事の際、日本球界は毅然とした態度を取るべき」(前出・ベテラン記者)
 DeNAの快進撃が止まるようなことになれば、大砲・グリエルの名前がクローズアップされる。そのとき、DeNA球団はどう対処するだろうか。

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