これは、岡山県久米郡の二上山頂にある高野山真言宗の古刹・両山寺に古くから伝わる伝統行事【護法祭】(ごほうさい)。
護法実(ごほうざね。通称・ゴーサマ)と呼ばれる護国豊穣の神の使いは、祭一週間前から酒を断つなど身を清める。祭当日は、警護の子供たちと一緒にゴーサマがトランス状態で飛び跳ねまくる。カラスの化身の護法善身なる神様が乗り移って、ふざけている人を積極的に掴まえにかかるのだそう。このゴーサマに触れられると、改心しない場合は3年以内に死ぬ、などという伝承がある。そんなこわーい死の伝説がある祭なのだ。
(大丈夫か…)という気持ちにもなろうというもの。
天下の奇祭を行政担当者は、
「大丈夫ですよ、やはり面白がって触ろうとしたりする若い方などもいますが、護法実の足をひっかけたりいたずらをしなければ…」
と言う。でもこっちに来られたら、緊張で身構えてしまいそうである。
改めて同祭は人気のある祭で、観光客もけっこう多いらしい。いったい、観光客は大丈夫なのだろうか、と不安になるが…。
「観光客の方も触られる人はいますねえ」(同)
まったく不安は尽きず。最後に聞いてみた。
−−それって、伝説ですよね。死んだりしないんですよね…
「亡くなった方は、おります…」
と同氏。「うへー、マジすかー」と思ったのであった。その際は、ちゃんとお払いしたいものだ。
久米郡では各地の寺に、この伝説が息づいているのだという。
このテの祭はまだある。例えば、街を練り歩く祭の隊列を見ると死ぬ、などというとんでもない祭もあり、詳細を確認中である。
興味のある方は、お出掛けあれ。