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キングオブコント2017優勝のかまいたち ダブル結婚していた

 “浪速のキング”が2度目のファイナリストでついに頂へ――。1日、東京・赤坂のTBS本社で開催された『キングオブコント2017』は、地元・関西で9本のレギュラー番組を抱える売れっ子コンビ、かまいたち(山内健司&濱家隆一)が、第10代目のキングとなった。

 異例づくしの節目大会だった。全10組のファイナリストのうち、かまいたちが所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーからは4組(ジャングルポケット、アキナ、GAG少年楽団)が勝ちあがり。所属人数の多さから、毎年過半数を占めていたことを考えれば、異常な少なさだ。入れ替わるように、初出場が6組(わらふぢなるお、アンガールズ、パーパー、にゃんこスター、GAG少年楽団、ゾフィー)。事務所に所属しないフリーが3組(さらば青春の光、にゃんこスター、ゾフィー)。男女コンビ(パーパー、にゃんこスター)ながらも、女性が2人も決勝舞台に立つなど、今年は“初”づくしだった。

 そんななか、昨年に続いて2度目のファイナリストとなったかまいたちが、1stステージ3組目で披露したネタ“告白の練習”で、マグマが噴火。「8月の単独ライブで書いたネタ。できてから1か月しか経ってないんで、奇跡の間に合い方をした」(山内)と、新ネタであったようだ。このネタは、5人の審査員が持ち点100点のうち、全員が90点以上を与える高得点だった。ところがその後、結成わずか5か月のにゃんスタが空気を一変させて、なみいる先輩をゴボウ抜き。審査委員長のダウンタウン・松本人志、さまぁ〜ず・三村マサカズが97点という自身最高得点を与える大波乱が起こり、勝負の行方が読めなくなった。

 続くファイナルステージでかまいたちは、ウェットスーツが脱げない“軽い気持ちで”というネタで、安定の大爆笑をゲット。ストーリーの設定・展開、言葉のセンス、演技力のすべてが申し分なく、松本も「いちばんウケてましたもんね」と感服。結果、1stステージをトップ通過していたにゃんスタを実力でねじ伏せ、初のキングに輝いた。

 昨年は同期のライスが優勝して、3位の結果に悔し涙を流した。「1位を獲らないとダメだなぁと思って。1年前、濱家くんが楽天クレジットカードの審査に落ちてたので(笑)。1週間あけて、イオンクレジットカードにも落ちた」(山内)、「言うなって! その1週間後、イオンモールから営業が入って、すごい複雑でした」(濱家)。

 大会後の勝利者インタビューでは、山内のボケにすかさず濱家がツッコミ。関西ではコント、トーク、レポーターの巧みさが浸透しており、12年には『第33回ABCお笑い新人グランプリ』と『第42回NHK上方漫才コンテスト』で優勝。昨年は、『歌ネタ王決定戦2016』も制しており、その実績は折り紙つき。09年には、次世代芸人を集めたフジテレビのコント番組『ふくらむスクラム!!』(のちに『1ばんスクラム!!』に改題)のメンバーに抜てきされたのを機に、東京進出を本気で狙った。しかし、番組が終了して踏みとどまった苦い過去があるだけに、今後は全国区タレントをめざしたい。

 山内が、「(東京進出の野望は)めちゃめちゃあります。オファーがどれくらいくるんだろうと思ってます。あとは、(よしもとの)藤原社長にギャラの交渉だけしたい」と本音をこぼすと、「優勝した瞬間に、いなくなりましたからね」と濱家。「このチャンスを生かして、全国区になりたいと思います」と山内は、売れる気満々。濱家は、「優勝して結果を残さへんかったら申し訳ないので、もう浮かれてる気分はなしで、不安のほうが大きい。来年、“あいつら獲ったからよかったな”って言ってもらえるようにがんばりたいと思います」と気合いを入れた。

 今年は2月に山内が、5月に濱家が結婚。優勝賞金の1,000万円を山内は、「7月に結婚式を挙げて足が出て、借金が120万円あるので、それを返して。猫の体調が悪いのでそれを治して、残った分は仮想通貨にぶち込みます」と虚実ないまぜの構想を描く。今月、結婚披露宴を控える濱家は、「賞レースで優勝したときは家族にあげるようにしてるけど、今回は額がデカいので(考えを)持ち帰らないと」と優しい一面を見せる。

 結成14年目。“笑いの本拠地”関西が生んだパーフェクトコンビにとって2017年は、生涯忘れられないだろう。

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