筆者が、ゴム人間を見たと言う知人のS君に、当時の状況を尋ねてみた。
−− S君は何時にどのようなゴム人間を見たと言うのですか。
S君 私がゴム人間と遭遇したのは、今から15年ほど前の20代前半の頃でした。ある日、自宅で自分の部屋から日中に窓の外をぼんやりと眺めていた時でした。自転車に乗った黒い物体がまさかと思うぐらいに、オートバイよりも速く見えるほどの速度で目の前を通ったのです。その時間は僅か一瞬でした。
−− 自転車に乗ったゴム人間を見たと言うのですか。
S君 はい。自転車に乗ったゴム人間の全身は、つやを消した黒い色をしており、特徴は痩せ型の成人男性の体格で、頭部に長い突起状のものがあって、後ろに向かって伸びていました。
ゴム人間を見た感じですが、歯磨き粉のチューブを絞って歯ブラシに乗せる時に、最後の部分が尖ったようなイメージになりますが、まさにそのような後頭部の形状をしていたのをはっきりと覚えています。
−− S君の見たゴム人間は、一般的に言われている色と違っていますね。一般には緑色をしていると言われていますが。それと、自転車にゴム人間が乗っていたというのも面白いですね。
S君 自転車でしかも道路は坂道だったので、いくら何でも風のように通り去ることなどできません。私の目の錯覚と思えばそれまでですが、一応は目が良いのでそんなことはないと思います。当時はまだゴム人間という言葉がありませんでしたが、ゴム人間は確かに存在するように思えます。
−− 具体的にゴム人間を見て、全体からどんな印象を受けましたか。
S君 ゴム人間とは都市伝説に登場する未知の生物だと思われますが、イメージ的には、スタジオジブリ製作の映画『ハウルの動く城』において、荒地の魔女が手下に手足の長い粘土状の人間を使っていましたが、まさにあのままだと思います。顔も目・鼻・口もなく、ただの人型の生物のように思いました。
S君へのインタビューはこれで終わったが、筆者にはゴム人間が実在するように思えてならない。
(藤原真)