さて先日、山口氏はある企業からの依頼を受け埼玉県秩父市の古刹『三峯神社』に出向いた。現場で三峯に残る史跡や伝説の調査などを行っていた氏が境内へ行ったとき、本殿の近くに人だかりを発見。こちらの石畳を見つけたのである。
記事の写真をよく見て頂きたい。白い敷石に、黒く長細い影と二つ並んだ赤く光る目。その後ろにはたてがみも生えている。鼻筋のすっと通った細身の龍頭が浮かび上がっているのだ。
こちらの龍の首は今年 2012年に突如として敷石に浮き上がったものだという。奇しくも今年の干支は辰年。そのためこの龍は瑞祥であるとして一般に紹介され、また縁起がいいとして多くの参拝客がカメラに収めるなどしていたのである。
三峯神社の主祭神は国産み神話でも知られた伊弉諾尊(イザナギ)・伊弉册尊(イザナミ)の二神。また、三峯の御眷属(神様のお使い)である山犬(狼)信仰 も根強く残っている。そのため、どちらかと言えばこの御眷属信仰の方が注目されがちな三峯神社だが、実は三峰の山中には龍洞と呼ばれる深い井戸があり、こ こには昔から竜神が住んでいるとされているのだ。この井戸の水は『神乃山水』と呼ばれ、特に大寒の日に汲まれた水は『寒の水』といって大変貴重な物である とされている。
三峯神社境内に現れた龍の首も、この三峰山の水神である竜神が辰年故に顔を覗かせたものだったのだろうか?
ちなみに『神乃山水』は三峯神社にて有料で、『寒の水』も予約限定で頂くことが出来るという。
辰年の締めに、参拝して龍の力にあやかってみてはいかがだろうか?
(山口敏太郎事務所)