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GI朝日杯FS追い切り速報 完成度、センス◎ フライングアップル万全

 2歳王者決定戦「第58回朝日杯FS」(GI 芝1600m 中山10日)は、3戦3勝のオースミダイドウを大将格に、関西勢が大攻勢をかけてきたが、迎え撃つ関東勢も駒はそろっている。その一頭が、藤沢和軍団の秘蔵っ子、フライングアップルだ。心身とも完成度が高く、レースセンスは抜群。今朝の最終追い切りでも文句なしの動きを見せた。昨年、ジャリスコライト(1番人気、3着)で流した悔し涙を、今年はうれし涙に変える。
 「叶えられることなら、体が2つ欲しい」。藤沢和師の偽りのない心境だろう。
 10日の日曜日はフライングアップルが朝日杯FSへ、そしてダンスインザムードが「香港マイル」(GI 芝1600m)に出走する。師は後ろ髪を引かれる思いで、きょう6日、香港に出発する。
 さて、フライングアップルだが、「ひと言でいって順調そのもの」と師。変わらないことが一番と強調する。今朝は芝コースで5F64秒8→50秒0→36秒7→12秒1。スタート時に2馬身先行させたタイキスピリッツ(古馬1000万)に4角で並びかけると、そのまま余力をもって併入。全身を使ったダイナミックなフォームで、馬場の外め八分どころを真一文字に伸びた。
 「中2週だけど、雰囲気は前走以上。いい動きだったし、体も締まってきた。力を出せるデキだね」と師。その前走・東スポ杯2歳S(2着)は勝ち馬(フサイチホウオー)を上回る差し脚(上がり3F33秒8)を発揮しながら、わずか1/2馬身及ばず長蛇を逸している。
 しかし、収穫も大きかった。「初めて経験するタフな東京コースで、しかもスローな流れ(前半1000m61秒8)にスムーズに折り合って、上手なレースをした」と評価する師。「トレーニングセール出身で、体が仕上がっていたので、(入厩してから)手間暇かからず仕上げられるし、状態は充実している」と、完成度の高さをアピールした。
 それを証明するように、ここまで(2)(1)(1)(2)着と連対率10割を継続中。センスの良さは特筆されていい。しかも、札幌→福島→東京といろいろなコースを経験してこの成績だから、精神的にも相当タフだといえる。
 初めての中山コースも、まったく問題ない。東スポ杯で初めてコンビを組んだ北村宏騎手は「スタートセンスがいいし、スピードもある」とゾッコン惚れこんでいる。中山1600mの条件は、むしろ前走以上に持ち味を発揮できる舞台といっても、過言ではないだろう。
 藤沢和師と朝日杯FSといえば、今から11年前のバブルガムフェローの優勝を思い出す。そして、昨年はジャリスコライトが1番人気を集めたが、フサイチリシャールの前に3着と後塵を拝した、悔しい思い出も詰まっているレースだ。
 雌伏1年、フライングアップルで昨年の雪辱を誓う。

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