search
とじる
トップ > トレンド > 【コラム】『江〜姫たちの戦国〜』だけじゃない! 視聴者置いてきぼりのNHK歴代“トンデモ”大河ドラマ

【コラム】『江〜姫たちの戦国〜』だけじゃない! 視聴者置いてきぼりのNHK歴代“トンデモ”大河ドラマ

 歴史をナメきったファンタジックな展開と、キャスト驚きの年齢設定で回を追うごとに視聴者をビビらせまくる上野樹里主演・前代未聞のNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』(NHK総合他)。かなり心の広い大河ファンのお年寄りたちでさえ、舌っ足らずの大きな娘子(上野)が演じる“幼い江”のありえない活躍や、人物設定にイライラ。視聴率も急落ぎみとか。でも、これで驚いちゃいけない。歴代の大河ドラマにはもっととんでもないドラマも多々存在している。まだネットが世の中に無い時代、吐き出せなかった当時の思いをここに吐露しよう。

○自分勝手な女医の生き様に振り回される家族の悲惨。三田佳子主演『いのち』
 まずは三田佳子主演『いのち』(1986年)放送。原作と脚本は橋田壽賀子。戦後の日本を生きた情熱の女医・高原未希(三田)の一代記。泉ピン子、赤木春恵、宇津井健と橋田ファミリー大量投入のヒューマンドラマであったが、なぜかヒロインである未希先生の人生設計がグダグダ。疎開先の青森で育ち医者になった未希は農家の嫁の妊婦を救えなかった後悔からアメリカに留学。恋人(役所広司)と再会しプロポーズを受けるも、嫁を失った農家の長男と結婚。でもみんなを置いて東京で開業し、家族が分裂。おばあさんになって元の恋人とまた再会して終わるという、いい人ぶった女医のワガママぶりばかりが際立った作品。江以上の若作りシーンとして、当時50才くらいの三田と妹役の石野真子(当時35才くらい)が第一話で女学生姿に…。

○大昔の沖縄のってこんな感じなの!? 東山紀之主演『『琉球の風 DRAGON SPIRIT』
 1993年放送、NHK本体ではなくNHKエンタープライズによる「外部製作」第二弾。1年は長すぎるから半年放送としたが、それでも長く感じた恐ろしくメリハリのないストーリーで展開した大河ドラマ。歌やダンスが得意な少年隊のヒガシが政治家で、デビューしたてでドンくさかった渡部篤郎が“沖縄一の踊り手”役って合ってないキャスティングが未だに疑問。ヒロインは原田知世と工藤夕貴。寺島しのぶがこれでデビューするも、バブル期なのに安っぽい事この上ナシの作品に。この後NHKは朝ドラ『ちゅらさん』に至るまで長いこと沖縄ブームを続け、斬新なアイデアだった半年放送はこのあと2作続いたが、不評でやっぱり1年放送に戻った。

○淀君が石田三成に乳を揉ませるシーンが!渡辺謙主演『独眼竜政宗』
 平均視聴率39.7%、ドラマ自体は「大河最大のヒット作」と言われる渡辺謙主演『独眼竜政宗』(1987年放送)。幼い伊達政宗を演じた子役の男の子と小学生だったお姫様役の後藤久美子が可愛くて日本中で話題に。そんなフレッシュさとは裏腹に、岩下志摩演じる鬼母への恨み節や、なぜか勝新太郎演じる風格ありすぎの豊臣秀吉がドロドロ感を盛り上げていた、とにかく陰湿なドラマ。その数年後、映画や写真集で脱ぎまくる事になる樋口可南子演じる淀君(よどぎみ)が自分を優位にするために、石田三成(演:奥田瑛二)に着物の上からオッパイを揉ませるシーンが。歴史秘話で不倫疑惑はあったものの、そのもの見せる大胆な演出。NHKもここまで! とビックリしたものである。

 以上。上記3作品以外にも、「なんだこれ?」っていう設定や「年齢的にキビしいなこの役」というキャスティングは日常茶飯事なNHK大河ドラマ。全体的に良い評価の作品でも一年通して見ていくと、いくつかつじつまが合わなかったり、かならずツッコミどころシーンがあったりする。それは長いゆえ仕方がないのかもしれない。今酷いと言われる『江〜姫たちの戦国〜』に至っても、しばらく我慢して見ていれば、そのうち斬新すぎる歴史解釈やラブストーリー重視の物語に目が慣れてくるであろう。主演の上野やスタッフの頑張りにはぜひ期待したいところだ。(コダイユキエ)

関連記事


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ