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桜花賞(JpnI、阪神芝1600メートル、12日) ツーデイズノーチス 切れ味勝負なら誰にも負けない

 2歳女王ブエナビスタが一歩も二歩もリードしている桜戦線だが、対抗勢力すべてが白旗を揚げているわけではない。

 「切れ味ならブエナビスタにも負けないと思っています。それに、まだ対戦していないですしね」。不敵な笑みを浮かべるのは、ツーデイズノーチスを擁する斎藤誠調教師だ。
 デビュー戦、折り返しの2戦目は本来の能力を発揮することなく終わったが、続く3戦目で素質を一気に開花させた。出脚が遅く後方からの競馬になったものの、そのまま待機。直線で外に持ち出すと、追ったところなしで1馬身1/2突き抜けた。
 「馬の力を信じて乗りました。本当に強かったですね。この馬で桜花賞に行きたい」。松岡騎手が早くもクラシックを口にするほどインパクトのある強さだった。
 その後は成長を促す意味も含め、リフレッシュ放牧へ。1月に帰厩後はじっくり乗り込み、アネモネSで復帰を果たした。「前の開催でも使えましたが、1回で(桜花賞の)権利を取れると思っていたので待ちました」と斎藤誠師。その言葉通り、レースでは不良馬場をものともせずに後方から鋭い伸び脚を見せ、2馬身差の圧勝。打倒ブエナビスタを強烈にアピールした。

 悪条件のなかを走っただけに中間は少なからず疲れが出たものの、「思っていたより反動は少なかった。次の週の金曜から乗り込めていますよ」とトレーナー。1週前には所属の伊藤直騎手を背に、美浦の坂路で800メートル52秒3(馬なり)を余力たっぷりにマーク。素軽い動きから、体調の良さが手に取るように伝わってきた。

 斎藤誠師と松岡騎手といえば、2005年に解散した前田禎厩舎では、兄弟弟子の関係だった。その2人のコンビが最もGIに近づいたのは、07年の皐月賞。ゴール前でヴィクトリーとデッドヒートを展開したサンツェッペリンの惜しい、悔しいハナ差2着だった。その後は、斎藤誠師がゴスホークケン(朝日杯FS)、松岡騎手はコイウタ(ヴィクトリアマイル)でそれぞれ初GI制覇を飾った。
 「自分の育てた馬に松岡が乗って、GIを勝てたら最高ですね」と指揮官。クラシックの壁の厚さを身をもって知った皐月賞から2年。満開の桜の下、進化を遂げたコンビが、今度こそ悲願を成し遂げる。

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