「彼とは友達の紹介で知り合ったのですが、とにかく奥手というか、女性と目を合わせるのも苦手なほど、内気な男性でした。でも、顔は悪くないですし、清潔感もあって、私の方から積極的にアピールして付き合うことになったんです。その後、彼は私と付き合ったことで、外に出かける回数が増え、コミュニケーション能力もかなり向上していきました」
そんな彼は、奈々さんの過去を執拗に知りたがったという。
「私が過去に何人の男と付き合ったかとか、初体験はいつだったかなど、とにかく過去の経験を聞いてくる人でしたね。彼にとって私は、初めての交際相手だったので、気になっていたのかもしれません。そして、付き合ってから1年ほどした時、彼のスマホに『今度いつ会う〜』と書かれた絵文字付きのLINEが表示されたのを目撃したんです」
それは明らかに女性の文体だったため、奈々さんはその場にいた彼を問い詰めたという。しかし、返ってきた言葉は意外なものだった。
「彼はあっさり浮気を認めたんです。その理由として、『君は5人の男に今まで抱かれてきたんだろ? だったら、僕もあと4人の女性を抱く権利がある。そうじゃないとフェアじゃない! 本当に対等な関係でいたいなら、黙認してほしい』『君が勝ったまま付き合うのが気に食わない』と、とんでもない持論を熱弁し始めてドン引きしました。確かに過去、私は5名の男性と交際してきましたが、その人数に追いつこうとする考えには、どうしても賛同できなかった」
その考えを曲げなかった彼とは、喧嘩になり、そのまま距離を置いたという。
写真・El mundo de Laura