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思わずマジかよ! と叫んでしまった話 準備万端のおねだり海外旅行をドタキャンされ荷物の山

 <憧れの地中海海盆ツアーをゲット!?>

 昼は自動車メーカーの受付嬢。夜は池袋のキャバクラ『I』で働いている唯さん(仮名・24歳)。昼も夜も人に見られるお仕事のせいか、“軽くヤバイ”お肉など微塵もないスレンダーボディにスラリと伸びた美脚の持ち主だ。
 「私、ダイビングが趣味なんです。特に南国リゾートでバカンスを兼ねて…っていうのが最高。そのお金を捻出するためにキャバ始めたんだけど結局、毎回お客さんに連れてってもらってますけど…」
 旅行費用はもちろん、免税店での壮大なお買い物まで、スポンサー付きの豪華バカンスでしかもその間セックスは1度きり。なしの回もあった。
 「男ってもう少しで落ちそうで、中々落ちないのに弱いでしょう。だからセックスはしなければしない方がいいの」
 さて、今回狙いを定めたスポンサーは、珍しく30代と若手。
 「それまでは、不動産関係とか、土建屋さんの社長さんばっかりだったの。今回は日テレの社員。顔は超ヤバだけど、お金はすごくある。年収1000万で、貯蓄が趣味らしいもの」
 というわけで5月の連休を当て込み、兼ねてから憧れていた地中海の楽園・イビサ島行きの営業活動が始まった。
 「今更イビサ島って思うでしょう。でもね、私の目当ては、イビサ島とフォルメンテーラ島の間にある地中海海盆だったんです。世界遺産にも指定されてる、知る人ぞ知るダイビングスポット。そこに潜るのが長年の私の夢だったの」
 聞けばその日テレ社員、お盆休みやGWなどは毎年、鎌倉や京都のホテルに投宿し、長編小説を5、6冊読破するというのが習慣になっているという。
 「じゃあ、私とスペインの地中海でぼんやりしない? って誘ってみたら、“それもいいな”とかって結構食いついて来た…。“でも、俺は本読んでるけど、君ヒマなんじゃない”だって。むしろ助かる(笑)。その間はダイビングやってますから」
 この会話の時点で3月も半ば。昨今のイビサ人気は凄まじく、乗車率200%の満員状態である。唯さんは何とか4月に入る前に航空券だけでも予約をしてもらいたかった。
 「そういう焦りが結局いつものペースを崩したんでしょうねえ」 既に9割方、旅行はするという方向で話は進んでいた。 唯さんも自分のプランを提示し、日程や内容も具体的に決まりかけていた。

 <5泊6日220万の旅行が成田で…>

「でも、さっぱり最終決定に至らないの。いっそ、私が行って申し込んで来るっていうと、それはちょっと…て。“もしかして俺を金づるとしか見えてないんじゃない”なんていい出して」
 なだめるのに一苦労。
 「ああ面倒になって来た今回はパスだ、パス!」
 そう思った途端に、旅行計画に進展が見られる。そんな繰り返しで、別なスポンサーとの代理案もないまま4月に入り…。
 「もうコイツはダメだって見切ろうとしたら、ドカンとすごいプランが来ちゃった。局が海外ロケの時に利用する代理店で、ツアープランが超豪華。航空券がビジネスクラスってのはいいとして、宿泊先がフォルメンテーラ島のセレブ御用達の隠れ家ホテル! アンジェリーナ・ジョリーもトム・クルーズも泊まったホテルですよ。ダイビング用のチャーター船も入って、費用は5泊6日220万円なり♪」
 「すぐに申し込まないとプランが実現しないよ…」
 そんな言葉に翻弄され、これまでの経緯で熱くなっていた唯さんの電卓頭脳は、とうとうショートしてしまった。
 「もう見え見えだったからさ。ヤリましたよ。ヤラせましたよ…全てはダイビングのため、そう言い聞かせて…」
 こうして近年稀に見る激闘の末、なんとかイビサ行きのチケットを手に入れた唯さん。しかし本当のチケットを自分の手に握っておかなかったことを大層悔やむことになる。 当日、成田にはいつまで経っても彼の姿が現れなかった。電話してみると、  
 「あっゴメンゴメン、言うの忘れてた。あのツアー取れなかったんだよね」
 と悪びれた様子もなくシラッと言い切ったのであった。
 「前の日までは行く話で進んでたんだもの。当日取れなかったはないっしょ。最初から絶対行く気なんてなかったんですよ。フザけんな!!」
 ズラリ並んだ荷物の山が余りに虚しい唯さんであった。

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