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新重賞今昔物語 1999年きさらぎ賞 懸命に走る姿が愛されたナリタトップロード

 記録に残る馬と記憶に残る馬。後者の代表格といえる名馬がナリタトップロードだろう。GIを勝ったのは菊花賞のみだったが、それでも有馬記念のファン投票では常に多数の票を集めた。一生懸命走るから、負けても負けても憎めない。そういう存在としては、“20世紀末の名脇役”ナイスネイチャと双璧ではないだろうか。

 そんなトップロードが重賞初制覇を達成したのが1999年のきさらぎ賞だった。
 前走の福寿草特別はあのダイワメジャー・スカーレット兄妹のお兄ちゃんスリリングサンデー、トゥザビクトリーに敗れて3着。1勝馬の身で挑んだGIIIだったにもかかわらず、2番人気に支持された。ここでも人気者の片りんを示したわけだが、レースではその期待に見事に応えた。

 道中は6番手あたりを進み、圧倒的1番人気に推されたエイシンキャメロンをぴったりマーク。直線は激しい叩き合いの末、キャメロンをクビ差下した。
 好騎乗を見せた鞍上の渡辺薫彦にとっても、これが重賞初Vだった。師匠の沖調教師は後に「このレースが一番印象に残っている」と語っており、手塩にかけて育てた弟子のウイナーズサークルは菊花賞以上の思い出になっているようだ。
 トップロードの人気の背景には、この渡辺とのコンビ愛も欠かせないだろう。ナイスネイチャにも松永昌(現調教師)という名パートナーがいた。勝って喜び、負けて一時は鞍から降ろされ、辛酸をなめる。勝負の世界の厳しさに、人々は自分の人生を重ねたのかもしれない。

 トップロードの父はサッカーボーイ。自身は強烈なスピードを武器にしたマイラーだったが、産駒にはその父ディクタスの影響が色濃く出るようで、ゆっくり力をつけるステイヤーが多い。ヒシミラクル、アイポッパーも産駒だ。そういうサッカーボーイの種牡馬としての評価を定着させたのもトップロードだった。

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