●卒業ラッシュのキッカケは、前田敦子?
AKB48結成時からセンターを守り続けてきた前田敦子は、昨年3月に卒業を発表し、昨年8月の劇場公演をもってAKB48を卒業した。
女優としての夢を追いかけ始めた前田の2013年は、卒業後初の主演映画『クロユリ団地』(2013年5月公開/中田秀夫監督)や『もらとりあむタマ子』(2013年11月公開/山下敦弘監督)などの好演で、女優として早くも評価され始めた。卒業後初の連続ドラマ主演となった時代劇『あさきゆめみし 〜八百屋お七異聞』(NHK総合)では、脚本家ジェームス三木が歌いあげたヒロインを情熱的に演じ、話題をさらった。年明けの1月には、先に開催された第8回ローマ国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀技術貢献賞をW受賞した主演作『Seventh Code』(黒沢清監督)の公開も控えている。
夏に、東京近郊のスタジオで、『あさきゆめみし』のマスコミ向け合同インタビューが行われたという。振袖姿の特写を終えた前田は、タンクトップにショートパンツというラフな格好で会見場に姿を現し、AKB48時代は舞台公演やダンスの練習などで毎日が慌ただしく過ぎていたことを振り返りながら、卒業した現在は、ヒロインを演じることだけを考えられるため、充実した時間が過ごせていることを、爽やかな笑顔で語ったそうだ。
AKB48時代の前田は、AKB48の看板をひとりで背負うプレッシャーもあったためか、会見などで“無愛想”ともとられる対応をすることもあった。が、『もらとりあむタマ子』の初日舞台挨拶では、ステージを降りて退場口へ向かう際、「(歌舞伎俳優の尾上)松也さんとは会ったんですか?」「交際は順調ですか?」などという質問が飛び交ったというが、ほほ笑みを浮かべながら立ち去ったとか。
その『もらとりあむタマ子』の山下敦弘監督は12月15日に行われたトークショーで、「今の前田敦子の魅力は映画ではないかと思っています」とコメントしたとのこと。
前田は、国際的にも評価されている監督や、実績のある脚本家らとタッグを組んだ作品にも恵まれ、女優としての評価を高めている。
●一方、板野友美はセレブ化?
前田の後を追うように、人気メンバーの板野友美が、今年2月に卒業を明かし、8月に卒業公演を行った。
前田とは違ってアーティスト指向の板野は、今年6月、4thシングル『1%』をリリース。卒業前ではあったが、ダンサーを従えた歌唱とパフォーマンスは、「アーティスト板野」を印象付けた。さらに、卒業後の9月に行われたファッション&音楽イベント「GirlsAward 2013 AUTUMN/WINTER」では、それまでの茶髪から金髪にイメージチェンジした姿で『1%』を熱唱し、大声援を浴びた。来年2月には5thシングル『little』がリリース予定。3rdシングル「10年後の君へ」(2012年4月)収録の「lose-lose」で作詞を手がけるなどしているが、『little』では、初の試みとしてタイトル曲の作詞も担当する。
アーティストとして実績を積み重ねている板野だが、AKB48卒業後も人気は衰える気配を見せず、メディアに引っ張りだこだ。テレビ番組でゴージャスな自宅高級マンションの様子を公開したり、セレブ御用達のブランド物で身を包んだ姿を露出したり、米ロサンゼルスを“第2の故郷”と呼ぶなどし、“セレブ化”が話題となっているともいわれている。
世界的モデルのミランダ・カーを招待したパーティーが11月13日に開催された際、板野は、高級感溢れるファッションに身を包んだ姿で多数のセレブリティが集結した会場に駆けつけた。12月10日には、映画「ファイア by ルブタン」(12月21日公開)のPRイベントが行われ、板野は、「頑張った自分へのご褒美」として買ったという、ブリトニー・スピアーズやレディー・ガガらセレブたちの間で愛用者が多いフランスの高級靴ブランド・ルブタンのハイヒール姿で出席し、セレブオーラを見せつけた。
アイドルを卒業した板野だが、板野にあこがれるファンは多く、アーティスト以外にも、ファッションリーダーやライフスタイルの牽引者としても、注目が高まっているとの声もある。
日本が生んだ世界的スーパーセレブとして、板野が活躍する日が来るかも知れない。
●AKB48の今後
先日も佐藤亜美菜が卒業を発表したばかりだが、選抜総選挙イベントを立候補制にした影響もあったためか、今年だけでも、板野をはじめとし、篠田麻里子、河西智美、秋元才加、増田有華、仲俣汐里、小森美果、仲谷明香、仁藤萌乃など多くのメンバーがAKB48から卒業していった。小嶋陽菜や大島優子、高橋みなみといった中心メンバーも、卒業についての思いを明かす機会が多くなっている。
2013年は、規模が大きくなるにつれてAKB48のあり方自体が変わり始めた年だったといえるかもしれない。
今後、AKB48がどう変わり、卒業生たちがどんな活躍をするのかに注目していきたい。