これだけ強い馬がこれだけしっかり準備できれば、その先は見えたようなものだろう。メイショウサムソンが文句なしの仕上がりで今年初戦を迎える。
「去年は転厩初戦で勝たなければいけないプレッシャーが相当あった。その点、今年は気楽に臨めるからね」と高橋成師はうなずいた。
瀬戸口厩舎から受け継いだ昨年。周りからは察することもできない重圧があっただろう。そんななか、天皇賞の春秋連覇を達成した。その自信と馬の充実ぶりが師の余裕を支えている。
前走の有馬記念は8着と完敗した。「疲れだね。凱旋門賞を使うつもりで夏場から緩めず乗り込んでいたから、そのツケが最後の有馬記念に出てしまった」と振り返った。
レース後はリフレッシュのため放牧へ。効果は十分にあった。どっしりした膨らみを取り戻し、ケイコの動きも軽快そのもの。もともとぼってり映る体形だが、今はかなり引き締まって見える。
「体調は良くなった。普通のデキで臨めれば結果はついてくる」と強烈な自信を垣間見せた。
皐月賞、昨秋の天皇賞、そして昨年のこのレースを持ち出すまでもなく、2000mの強さは無敵に近い。天皇賞3連覇へ、その先の凱旋門賞挑戦へ、夢を追いかける。
【最終追いVTR】ファンドリコンドル(古馬500万)との併せ馬。1馬身後方から追走したが、道中はピタリと折り合ってスムーズな走り。直線に入って鞍上の武豊が気合を入れると、実戦並みの鋭い反応で一瞬にして4馬身突き放した。