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貴乃花部屋所属力士の移籍が正式決定 そのデメリットは?

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貴乃花親方

 日本相撲協会の臨時理事会(1日/東京・両国国技館)により正式決定された、貴乃花部屋所属力士の千賀ノ浦部屋への移籍。前稿ではそのメリットについて触れていったが、本稿ではデメリットについても考えていきたい。

 筆者が想定するデメリットは、メリットと同じく3点ある。それは「移籍組のモチベーション低下」、「指導方針の違い」、「長引く報道がもたらすリスク」だ。

 ますは「移籍組のモチベーション低下」から。角界に身を置く力士たちにとって、師匠の存在は一種のモチベーションともなっている。今回移籍となった貴乃花部屋の力士たちも、「師匠のために」という気持ちを胸に、これまで厳しい稽古に励んできたことだろう。

 しかし、今回の一件により、それまで各々を様々な形で奮い立たせてくれた貴乃花親方は目の前から去ってしまった。その喪失感の大きさ次第では、今後の稽古に今一つ身が入らなくなり、本場所で結果が残せなくなることにも繋がりかねない。

 次に「指導方針の違い」について。移籍組にとって新たな師匠となる千賀ノ浦親方は、元々貴乃花部屋の部屋付き親方でもある。ただ、だからといってその指導方針の全てが貴乃花親方と同じという訳でもない。似ているようで違う“色”に順応するまで、各力士はそれなりの苦労を強いられることになるかもしれない。

 最後は「長引く報道がもたらすリスク」について。前述の通りに“一応の”決着を見た本件だが、今後もしばらくは稽古場周りに各メディアの取材陣が押し寄せ、あれやこれやと報道を続けていくことになるだろう。こうした周囲の喧騒が、移籍組・在籍組を問わず各力士の精神や集中力を乱し、怪我や体調不良といった無用なリスクを招く可能性は否定できない。

 以上が、今回の移籍で考えられる3つのデメリットである。貴乃花部屋の力士たちは本日2日にも千賀ノ浦部屋へ移るとのことだが、前述した懸念事項がこの先1つももたらされないことを切に願いたいところだ。

文 / 柴田雅人

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