プロ野球界では、4月に巨人の木村拓也コーチが、ノック中に突然くも膜下出血で倒れて死亡するなどの衝撃的な出来事が起こった。そして、巨人の選手らが喪章をして臨んだ追悼試合では、木村コーチの同級生でもあった谷佳知が終盤に逆転のホームランを打って試合を決めるなど、多くの人の涙を誘った。
こうした感動的場面の陰で、W杯開催前だというのに、サッカーへの盛り上がりは今一つだった。もし、1次リーグの初戦・カメルーン戦で、日本が引き分けか負けという結果に終わっていたならば、このままサッカー人気が凋落していくであろうことは目に見えていた。しかし、それを救ったのが、ロシアの海外リーグで活躍している本田圭佑のゴールである。あの一発の勝利で、人々の目がサッカーに向けられるようになった。
株価のように、人気が乱高下するスポーツの世界。今、サッカー人気が高まってきたとしても、今後も継続するとは限らない。次のデンマーク戦で、1次リーグを突破できるのか。それが今後の日本サッカー界の浮沈のカギを握っているといってもいいかもしれない。