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永田町血風録 現実味を帯びてきた7月解散

 さあ、首相・麻生太郎の堅い口が“解散”をにおわせ、7月解散が現実味を帯びてきた。総事業費57兆円の追加経済対策、その裏付けとなる平成21年度補正予算成立後の解散に向けて大きく舵(かじ)を切り始めた。

 民主党の国対委員長・山岡賢次が自民党の国対委員長・大島理森に「話し合いによる解散」を打診したが、大島はそれを拒否した。
 山岡と大島が会談した際、山岡は衆院の早期解散と引き換えに、平成21年度補正予算案などの成立に協力する、という取り引きを持ちかけた。山岡は、大島との合意が成立した場合には、麻生と民主党の代表・小沢一郎による党首会談の内容についてまで持ちかけたが、それでも合意には至らなかった。
 13日昼、政府・与党連絡会議で麻生は「今後とも法案にせよ、政府・与党と野党の違いを明確にしていきたい。どちらがより国民のことを考えているか、それを早く明らかにしたい」と衆院の解散・総選挙を示唆した。
 「麻生はね、補正予算を表面に掲げ、4月末に電撃解散を考えていた。それというのも民主党・小沢の西松建設の件があり、党内は混乱している、と踏んでいた。それに北朝鮮のあのミサイル発射問題やソマリア沖の海賊船対策の件で野党内の歩調が合っていないことを照らし合わせ、4月に行った方が…と考えて、4月解散をそれとなくにおわせたのは事実である」(政治ジャーナリスト)

 小沢も「連休明けには衆院選の可能性が高い」と一気に選挙モードに突入した。小沢は記者会見で「今月末に提出される補正予算の審議が終われば、いつでも衆院選に入れるようにしておいてほしい」と党内を引き締めた。
 なにしろ麻生はこのところじわりじわりと支持率が回復していることにすごく気を良くしている。「7月のサミットに出席するのは誰あろう、それは麻生だ」と、自民党内や政府の主だったところにこう言い切っているのも、選挙のタイミングはこの時期だ、といった考えからだ。
 麻生も選挙については「オレが決める」とずっと言い張っている。しかし、それもタイミングからして、この時期がベターだからだ。
 それにしても、麻生とはなかなか機を見て敏な男である。定額給付金もやがて全国民に渡る。国民は、やはり国からカネをもらうことにすごく弱い。「それと選挙は別だ」とはいうが、それでは誰が国民にこうしたカネをくれるのか。
 「麻生はよくやっているよ。これまでの自民党の首相で小泉純一郎以外は、これといったことをやっていない」といわれているが、小泉は“改革”の名のもとに少々、荒っぽく国を揺さぶっただけ。
 「国民のためになるかどうか別にして、衆院解散のチャンスは今」と、与党もすっかり選挙モードだ。(文中敬称略)

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