「小川代行を正式に監督に就任させるべきという声もチーム内外から出ています」(メディア陣の1人)
一部報道によれば、13日の阪神戦で10連勝を飾ったころから「小川代行を来季の監督に!」なる“激励の電話”も球団事務所に寄せられるようになったという。荒木大輔・投手コーチ(46)の昇格が既成路線と言われてきたが、こうしたファンのエールを受け、一部幹部も「荒木コーチの昇格を急ぐ必要はないのでは…」の声も出始めた。
しかし、こんな指摘も聞かれた。
「(小川代行を)昇格せざるを得ないのではないか?」(球界関係者)
“後退的な口ぶり”だった。その理由は荒木コーチにあるようだ。
コーチスタッフも、荒木コーチの監督昇格を既成路線と捉えている。そのため、小川代行に限らず、年長のコーチたちは試合中でも、
「こういう場面は…」と、荒木コーチに助言を送っている。こういった場面を見せられているから、選手たちも「次は荒木コーチ」と思っているのだろう。しかし、当人は違う。
「監督にならねえし!」
試合中の守備陣営や攻撃面に関する助言を送られるとき、荒木コーチはそう吐き捨てたこともあるそうだ。
「荒木コーチは守備陣営などチーム全体としての作戦に疎い。投手コーチの職務を全うしたいのは分かりますが、『将来の監督候補』と言われて久しいわけだし、もうちょっと勉強していると思ったんですが…」
チーム関係者の1人がそう言う。
確かに、荒木コーチが『将来の監督候補』と言われるようになったのは、昨日今日の話ではない。古田敦也氏が『監督業』も任される直前の05年シーズン後半だった。前任者・若松勉監督は選手交代の場面で、古田に「どうする?」と問いかけることもあった。その際、古田は「気の利いた、理に適った回答をしていた」(前出・同)という。当時を知るコーチ、選手も少なくないだけに、今の荒木コーチの言動にガッカリしているのだろう。
「いや、原(辰徳)監督が長嶋さんの下でコーチをしていたころ、存在感すらありませんでした。でも、監督に昇格するとまるで別人で、若手登用など思い切った作戦に出ていました。地位が人をつくるというか(笑)」(プロ野球解説者の1人)
作戦会議に参画して来ない現状だけで、全てを判断すべきではない。
しかし、荒木コーチは今も「監督を任せても大丈夫なのか?」という目線で見られているのは間違いない。そんな周囲の期待を鬱陶しく思う気持ちも分からなくはないが、このままでは、「荒木コーチの勉強不足だから、小川代行の監督昇格案が採用した」なんてイヤミを言われることにもなりかねない。