そんな内海がここ数年で、再び脚光を浴びている。おそらく、理由は3つ。ひとつは、最後の弟子っ子といえるナイツがいじりだしたため。ふたつに、卒寿(そつじゅ)と思えないほど、読み応えたっぷりのツイッターを、精力的にツイートしているため。そして、先見の目があったかのように、90年代前半、年の差婚をしている。2度目の夫は、24歳年下。元ファン。現在の、マネージャーだ。
大正11生まれとあって、体はガタガタ。右半身、大腿骨、右手首を骨折し、右乳がん、右目緑内障に悩まされている。それでも、舞台に穴をあけないことが信条だ。
その昔、余興で神輿に乗って転落。頭を強打したが、直後の寄席は出ると強弁したが、トイレで転倒。それでも、「出る!」と譲らず、車椅子に乗って、企画コーナーにすべりこみ出演した。
現在は耳も遠いため、舞台では持ち時間をオーバーすることが当たり前。舞台前で巻きのサインを送っても、目を患っているため見えない。舞台袖で「時間です」と声を出しても、耳が遠いため聞こえない。そんな内海のために主人が編み出した技が、強烈な光を放つライトを、目にむかって当てること。内海が、苦渋に顔を歪めて、うしろにのけぞると、ネタが終了する。
同じ浅草芸人の女性同士で一昨年、AKB48にちなんで、MKG48(漫才協会ガールズ)を結成。総選挙をおこなった結果、見事センターポジションをゲット。内海は今なお、漫才協会名誉会長の威厳を死守している。(伊藤由華)